2013年12月15日
イキ・イキ・エイジング 【第五回 汝自身を知れ!度を超すなかれ!】 後藤 眞
今、この欄に目をやった幸運なあなた!もし、ご自宅で読んでいらっしゃるのでしたら、ゆっくりと上着を脱ぎ、下着も剥いで、生まれたままの全身を鏡に晒してみてください。いきなりなんだと、びっくりしないでください。全身が映るような大きな鏡、いわゆる姿見と、手鏡をご準備ください。(くれぐれも電車の中とか、勤務先ではしないようにご注意ください)。
誰にも見られていないのですから、恥ずかしがらないでください。ソクラテスではありませんが、何ごともご自分の現在を確認することから始めなければなりません。極端なナルシストでない限り、多少は気恥ずかしいものです。若がえるためには自分自身の今を熟知することが大切です。曇った眼や薄暗い部屋ではダメですよ。全身に光が当たるようにしましょう。いいですね。狭くって、そんな余裕がない?そんなことおっしゃらず、全身をくまなく四方八方から観察しましょう。手鏡と姿見を利用して、始めましょう。
まず、頭から。どの部位に、白髪があるのか。髪の毛が薄くなっているのか。科学者のように冷静に観察し、記録しましょう。顔はもっとも重要なところです。額のキズ、粉瘤、異常に伸びた眉毛、目尻のシワや黄色腫、目元のメヤニだけでなく、眼球の充血、白内障が始まっているかもしれません。円らだった瞳は、垂れ下がった瞼で見る影もないかもしれません。頬のタルミ、シミ、アザ、肝斑、吹き出物、ブルドックのようなほうれい線、鼻尖の酒皶、はみ出した鼻毛、口元のシワ、口角炎、朝食のご飯粒を付けてはいませんか?二重顎、首筋のシミ、シワ、タルミなどをくまなく捜してみましょう。血管腫や皮膚病、ひょっとすると皮膚癌もあるかもしれません。弛んだ二の腕。手背と並んで、顔、頸部は、紫外線をもろに浴びて、光老化によって最もダメージを受ける部位で、われわれの身体で一番、年齢が進行するところです。おそらく、シミ、シワだらけではないでしょうか?後は、重力に従って、弛んだ胸やおなか、肉割れだらけのおしり、セルライトの詰まった太腿、浮腫んだ脚、静脈瘤のふくらはぎ。外反母趾、割れた爪、足裏の鶏眼、タコ。じっくりと観察、記録しましょう。後日、若返り効果の判定に使います。
え!痴漢しているみたいだって!自分を観察するんですから、鏡の前の四六のガマみたいに脂汗が流れ出るかもしれませんが、さあ、開始です。