2013年12月30日
イキ・イキ・エイジング 【第七回 余生ではなく・自助努力で老化予防】 後藤 眞
若さは、いつの時代にももてはやされ、老いは、誰もが嫌います。平均寿命が30歳にも満たなかったローマ時代や江戸時代は社会が安定していた時代で、老人(といってもせいぜい40代です。)が活躍できた時代です。
老人になれるとは、富貴と頑健と幸運の象徴で、後半を充実させることが人生目標でした。
にもかかわらず(だからこそというべきか)、哲人キケロや大力トーは、やっと獲得した老いの惨めさを「肩書が無くなる、肉体的虚弱、快楽の喪失、間近な死」と若者に語っています。
現代のように、普通に80歳まで生きられる時代には、人生の量より質が問われます。おまけに社会システムや技術革新が激動する時代では、50歳はおろか、70歳でも平均余命10年以上をのんびり余生だなんて過ごしていられません。能天気な生活を送っていれば」あっという間に世周から隔絶されてしまいます。
ひ弱な若者に肩を並べて、時間もお金もある老人パワー全開です。アンチ・エイジングだ、サプリメントだ、フィットネスだ、水ウォーキングだ、筋トレだ、コスメだ。どれも横文字のオンパレードです。
ボディービルによるムキムキマンを好む方もいらっしゃるかもしれませんが、使える筋肉、特に体幹のコア・マッスルと呼ばれる大きな筋肉のトレーニングが、基礎代謝を上げ、肥満、転倒、腰痛予防に役立ちます。
世代間の荒波に乗ってサーフィンを楽しむには、何といっても筋力とバランス感覚です。アイソメトリック(レジスタンス)トレ一ニングも骨粗しょう症予防になります。
糖尿病、高血圧、動脈硬化、アルツハイマー病など、現代の大部分の病気は生活習慣病、つまり老化に関係する病気ですが、最近はロコモティブ・シンドローム(略してロコモ)という言葉も出てきました。
関節や腰が悪くなって運動障害を起こす生活習慣病を指します。膝や股関節の変形性関節炎、骨粗しょう症、腰痛症、筋力低下などを合わせた整形外科の病気で、脳卒中と並んで寝たきりの主な原因になります。
毎日の生活や習慣を見直し、ほんの少しだけ気をつけることで改善する可能性があります。
自助努力で予防できる病気ばかりです。筋肉や骨のお手入れをコツコツ実行すれば、余生ではない本番の楽しい長生き人生を送ることができるのではないかと思います。