2014年4月21日
イキ・イキ・エイジング 【第十二回 病気の治療に専念を…若返り法…】 後藤 眞
今回は医療に関わる現実的な若返り法をお話ししましょう。
あらゆる病気が寿命を短縮させ、日常生活レベルを低下させ、若さを失わせます。そのため「若返りたい」「少しでも元気で長生きしたい」とお考えでしたら、自分の病気の治療に専念されることです。
私はリウマチ専門医として、東京女子医大東医療センター・リウマチ科と練馬光が丘病院リウマチ内科でリウマチ患者さんの診療をしています。
リウマチは炎症で関節が壊され、寝たきりになるだけでなく、内臓にも傷害を与え、老化を促進する病気です。よい薬ができ、昔ほどの重症者はいませんが、それでも多くの方が苦しんでいます。
私が老化の研究者でもあるためか、患者さんは病気の治療に専念を若返り法について毎回質問されます。私の回答は「まず病気を治しましょう」です。
リウマチが進み、関節の変形や痛みで歩行困難になると手術です。人工関節手術は20世紀医学の最も輝かしい成功例です。最初は嫌がっていた皆さんも、手術が終わると「若返って元気になった」と感激します。
今世紀に入って医学は革命的な進歩を遂げ、不治とされてきた病に保険診療の範囲内でも有望な選択肢ができています。
その他、私の専門領域だけでも、骨粗しょう症、痛風、シェーグレン症候、群には、画期的な治療法があります。
シェーグレン症候群は膠原病の仲間で、ドライアイ、口腔乾燥をおこす女性に多い病気です。目や口ばかりでなく、全身の肌も膣も乾燥し、患者さんの苦痛は他人には理解されにくい病気です。
有効な治療薬がなかったのですが、現在では、漢方薬(私が有効性を発見しました)を含め、よく効くお薬が開発され、目も口も肌も潤って、治療後は、格段に若々しくなって喜ばれます。
残念なのは、こうした有望な治療法が、一部の患者さんにしか使われていないことです。
私の専門外ですが、白内障の眼内レンズほど、喜ばれる手術はないかもしれません。ヒトの情報の半分以上は、視覚に頼ると言われますので、術後は、いきなり世界が明るくなって感激します。
歯科ではインプラントでしょう。硬いモノも食べられ食欲が増し、元気が出ます。新薬の開発も続いていますが、手術法の進化も驚異的です。しかし、そうした急速な医学の進歩に、医者も患者も行政もついて行けていない恨みはあります。