2014年5月8日
イキ・イキ・エイジング 【第二十回 いいかげんが良い加減】 後藤 眞
柳の樹皮はとても苦いのですが、その苦味は、前回お話しした消炎鎮痛剤のアスピリンの原料となります。
食後に使う楊枝は、もともとは柳の樹皮でした。古代インドやヨーロッパで虫歯や歯周病予防の歯磨きとして使われていました。
人間は大昔、食料も乏しく生活環境も厳しかったので、手に入れた食糧を何とかやりくりし、身体も耐乏生活に対応できるように、節約遺伝子を発達させてきました。
そのため、人間はケチで欲張りとなっています。負欲に何でも欲しがりますし、一度手に入れたモノは放そうとしません。
どれだけ健康に注意するように指導しても、食べ放題のお店が大好きですし、おなかにため込んだ脂肪を減らそうともしません。
食糧供給が容易になった現代では、肥満に原因する動脈硬化や高血圧、糖尿病が、世界的に大問題となっています。
人間は、本当にケチで頑固で、いったん獲得したモノを生かそうとすることはめったになく、失地回復を続ける十字軍さながらに、若さや健康にこだわります。
「若さを保つ」「取り戻す」。いずれも素晴らしい響きがあります。結構でしょう。しかし、ちょっと考えてみてください。人生80年として、あと何年残っていますか?どのようにお過ごしになりたいのでしょうか?どのように生き抜いていきたいのでしょうか?何を目指して生きていきたいのでしょうか?
頑張りに頑張っても、行き着く先は、決まっています。誰かに何か残したいという方は、すでに自分の人生を消去しています。
と言いながらも、自分の人生を意味あるモノにしたい方もいらっしゃるでしょうから、大した努力も不要な、ちょっとしたコツを伝授しましょう。
早寝早起きし、寝る前には必ず、歯磨きし、ミネラルウオーターをたっぷり取り、夜中に目が覚めたら、必ず水分を取ります。季節の野菜や海産物の伝統的な和食に切り替え、車やエレベーターには乗らずに歩き、近所の方々と交流するようにしてください。
もし、あなたが、長寿のご両親に恵まれているのであれば、現在のままで何もすることはありません。若さを保つには、特別なことはなく、いいかげんが良い加減と心がけてください。やりすぎないこと。案外、現代人には難しいかもしれません。