2014年5月9日
akira's view 入山映ブログ 税金をどう使うか
官僚の仕事はカネを使うことだ。といえば皮肉にも聞こえようがそうではない。そもそも何の為にいくら国民から税金を徴収するかの素案を策定し、決まった後は徴収した税金をいかに予算として配分消費するかが官僚の本分である。そのカネでゴルフに行ったり、先輩の天下り先を作る、はては馬鹿な無駄遣いをする、というのは一種枝葉末節の話で、そもそもカネを使う仕組み、使える仕組みをそのままにしておいて、官僚にカネを使うな、というのは、雄鶏に時を告げてはいけない、というようなもので、出来っこないのみならず、そんな幻想を振りまいて事態が一歩前進したかのように思うのは、関係者全員にとって迷惑な話であり、フラストレーションがたまるだけの話だ。だから、その仕組みを変革する、あるいは最近はやらないが「ぶっこわす」のは政治家の仕事である。それが機能しないのは、カネのかかる代議士稼業に公式・非公式、合法・非合法に官僚が利権を斡旋し、あるいは政治家が実力で官僚を駆使して獲得し、持ちつ持たれつの関係が成立しているからに他ならない。だから政治家になるのに、政治家であり続ける為に、なんでそんなにカネがかかるのか、を明らかにしない限り、官僚の無駄遣い体質は愚か、政官の癒着も決して改まりはしない。それを忘れてか、故意にか、領収書が一円だ十円だ、と騒いでいるのは、目くらましをしているとしか考えられない。念のために言っておけば、官僚がカネを使いたがる、自らの縄張りを広げたがる、のは悪いことではない。そうでもなければ、明らかに有限な国家予算を、古典芸能保存、素粒子研究、老人介護、環境保全、などなどの目的にどうやって配分できるだろうか。チェック・アンド・バランスとは良く言ったもので、それが機能しないとひどいことになる。今の日本はかなりひどいところまで来ている、という自覚がないと、本当にひどいことになるのだが。
2007年 12月 14日