2014年5月16日
akira's view 入山映ブログ 観光庁設置を嗤う
観光客が少ないから観光庁を設置するのだという。お役所を一つ増やせばお客も増えると本気で考えているのだろうか。おそらくは旧・運輸省時代に海外渡航テンミリオン(一千万人)計画とやらを呼号して、めでたく達成したひそみに倣ってのことだろうが、あれはお役所が号令をかけたからでも何でもない。消費者が豊かになると同時に、国民が割安感の大きい海外旅行にシフトした、というだけのことだ。この新年、海外旅行者は新記録を作ったそうだが、試みにお役所のナントカ計画を知っているかどうか聞いてみれば良かった。ついでに新記録を作った成田国際空港の社長がお役人の天下りだと知っているかどうか、おかげでサービスが良くなったと思うかどうか、とも。
来訪する外国人が少ないのには、少ないだけの訳がある。何よりも全てのサービスが高い。言葉が通じにくい上に、ガイドの質が高くない。インフラ(ソフト・ハード共に)も決して整っているとは言い難い。要するに国際会議が日本で開かれなかったり、ビジネスセンターや流通のハブが日本から他のアジアの国に雪崩を打って移転したのと同じ理由である。それが新しい役所の設置によって何とかなると考えるのは、外国特派員クラブの会員が激減したからといって、外務省海外広報課を庁にするくらい間が抜けた話だ。
庁を設置すれば、統一した施策が策定できるほか、外国人誘致の障害になっているさまざまなタテ割り行政の弊害を是正するのに役に立つのだそうだ。施策がないことと、さまざまな規制が誘致の障害になっていることを認めているのはご愛嬌だが、馬車を馬の前につなぐようなちぐはぐなアイディアはもういい加減にしてほしい。
2008年 01月 06日