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2014年5月27日

akira's view 入山映ブログ つなぎ

 暫定措置としての税額が年度末で期限切れになると、国民生活に大きな影響を与えるから、とりあえず論議に必要だと思われる(新年度に入ってから)ニヶ月は現状のままにしよう、といういわゆる「つなぎ」が提案された。あけすけに言ってしまえば、参議院がどうなろうが、衆議院で揺り戻してしまえば暫定措置は生きる。それを一遍撤廃して、また何ヶ月か後に復活するでは、いかにも無駄な手間がかかる。ここは現実的に行こうや、というのが与党の論理なら、冗談じゃないよ、というのが野党。結果が見えているからといって、審議を始める前にそれを認める等というのはとても納得する訳には行かない。

 野党だって無用なごたごたを国民に強いるのは望ましくない、位のことは百も承知。でもそれを物わかりよく認めてしまったら野党の存在意義どこにある。というわけで、暴挙だの、民主主義を守るだのと声高にならざるを得ない。しかし、採決(つまり結果)だけを考えれば、そもそも多数党の言うなりにせざるを得ないのは自明の理屈だろう。それでもこだわる、というのは結果よりプロセスを重視するから、というのが根底にある。つまり、与野党間の賛否の議論の根拠をそれぞれが国民の前に明らかにすることによって、取り敢えずの結論はともかく、どちらの言い分がもっともで合理的かをはっきりさせるのが議会制民主主義の根幹だ、という話だ。(正当な少数意見を多数が受容する、という可能性ももちろんある。)
 
 ところが、現在の国会内外での議論たるや、「暫定」が何十年も続くのはおかしい、という議論は聞こえてくるものの、仮に税金を下げたら、その収入を当て込んでいたこれまでの施策はどうなるのか、財源は他にあるのか、そもそもこれまでの施策のうち、これとこれはやらなくてよいのか、といった話は極めて上滑りだ。いわんや「暫定」と特定財源の一対一の対応関係について、与野党共に賛成しているのか反対なのか、極めて玉虫色だ。中には道路族と言われることに誇りを感じる、等と言ってはばからない与党幹部がいるかと思えば、あの東京都知事までが(地方バラマキ賛成集会とみられがちな)廃止反対の決起大会に出席していたり、解り易くないこと夥しい。

 マニフェストの大流行で一旦は軌道に乗りかかったかと思われた政策論議が、再び昔日の国対政治みたいなものになりかかってはいないか。中味を議論するしかけに一工夫が必要だろう。国会質疑のあの無味乾燥で形式的なスタイルを変えたり、質問の事前配布をネット上で国民まで対象にする、とか、知恵はいろいろありそうなものだが。

2008年 01月 30日



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