2014年6月3日
イキ・イキ・エイジング 【第二十三回 美食のてんこ盛り?】 後藤 眞
前回は、バランスの良い健康食である和食についてお話ししましたので、他国の食事事情についてもお話ししましょう。
人間である限り、どの国でも飲み食いは一番の関心事ですから、おいしく、たらふく、いつまで食べても大丈夫なように歴史的にさまざまな工夫がなされています。
食に対する執念は恐ろしいモノがあり、たらふく食べた後に、カロリーや脂肪をさらに食品によって燃焼させたり、吸収を抑えたりしています。
いろいろな判断基準があるようですが、世界の美食として、和食以外にはフランス料理と中華料理が挙げられています。
比較的高脂肪食の多いフランス料理では、赤ワインとチーズがセットになり、高カロリーをカットするようにしていますし、最近では、ヌーベル・クイジーヌといって、和食をまねて野菜を加えたり、盛り付けに趣向を凝らし、肉料理も低脂肪のジビエや魚介類を蒸したり、濃い口ソースを控える低カロリー食へ移行しつつあります。
昔ながらの王朝風フレンチは、もう見ることもなくなりました。イタリアやスペインなどの地中海料理では、赤ワインに海産物やオリーブオイルを多用することで切り抜けています。
スカンディナビア地方では、北洋のタラ、ニシン、サーモンなど、DHAやEPAの多い魚類を摂取して、脂肪摂取に対策を取っています。
東ヨーロッパでは、煮込み料理で脂肪の低下を計っていますし、ブルガリアのヨーグルトは世界的に有名。お隣の韓国料理では、カプサイシンの多いキムチやニンニクのてんこ盛りで、痩身の美形を保っています。
日本で出される中華料理は、コッテリした印象がありますが、本場の中華料理は、基本的には食によって健康維持を図ると言う薬膳思想に基づいていて、野菜を炒めたり、さまざまな豆類を使った料理が沢山ありますし、豆腐料理もあります。
食後のデザートとして有名な杏仁豆腐は、最近ではアーモンドと牛乳を原料としており、咳止めの作用がある薬膳料理です。豆苗、豆乳も、中国人の人気食ですし、ラー油、豆板醤も抗炎症効果が知られています。効果のほどはまだ証明されていませんが、ウーロン茶やジャスミン茶で脂肪を溶かすと息巻いています。
東南アジアではパクチーと総称される香草類がよく使われますが、鎮静、抗炎症作用があると言われており、肥満予防効果があるかもしれません