2014年6月9日
akira's view 入山映ブログ チベット争乱
チベット争乱に際して中国・温首相の出したコメントと、先のミャンマーのデモ鎮圧に対してSPDCの出したコメントの余りの相似に驚く。かたや経済制裁、国際世論指弾の第一標的、こなた市場経済の寵児、オリンピック開催国である。
米国のダブル・スタンダードには流石に慣れっこになったから驚かないが、日本のメディアの論調はどんなものだろうか。チベットに滞在していた日本人旅行者が、安全に帰国するために今は何もしゃべらない、と中国領内で発言したのを淡々と報道していればよいようだ。ことが収まった後では居丈高になる常の論調と違って。
食品の安全性を巡って、中国の公的スタンスに対する違和感は国民に共有されたと思う。かの大阪の老舗で、若社長にささやき助言をしたお母さんが次期社長になったのと同じような違和感である。あの老舗はまだつぶれないし、中国経済も順調なようだ。ダライ・ラマがいくら頑張っても経済の前には影が薄い。
普通選挙制による民主主義が絶対だとは思わない。しかし、場合によっては軍隊を送ってでもそれを押し付けることもあれば、経済制裁をもって報いる国もある。見て見ぬ振りに等しい「憂慮のコメント」だけで済まされる国もある、それが米国のダブル、トリプル、スタンダードならば、日本のそれは一体なんと言えば良いのだろうか。かつてエコノミック・アニマルといわれた矜持なき日本は、決して過去形で語られるわけにもゆかなさそうだ。
2008年 03月 19日