2014年6月13日
akira's view 入山映ブログ 大きなお世話
朝日新聞3月23日朝刊38面は、「杉並・和田中PTA協議会を脱退」という見出しの記事を報じた。脱退の後は「PTAは地域の協力者で作る「和田中地域本部」の一部門となる」のだそうだ。PTA組織率の低下、あるいは活動の停滞と相まって、それが学校に子供を通わせる両親、あるいは地域住民の自主的な動きであるのならば、地域に根ざした住民の活動として面白い、という評価も可能だろう。
しかし、この記事に後半には「文科省は、中学校区ごとに学校支援地域本部を設けようと、08年度予算に50億4千万円を盛り込んだ。地域本部には、教職員や保護者に加え地域の代表者が入り、部活動の支援や、学校環境の整備、登下校のパトロールなどでかかわる。またキャリア教育、自然体験などを支援できる専門家を有償で招く。」とある。
またしてもお役人がいらざるところにくちばしをつっこんでいる。PTAの活動が低調であれ、なかれ、それは学童とその両親の問題である。地域が学童の健全な発育に関ろうと関るまいと、それは地域固有の問題であり、結果が良かろうと悪かろうと、それはその学校、その地域に関係する人々が甘受すればよいだけの話で、オカミがしゃしゃり出てくる種類の話ではない。
かつて第二次大戦中に、町内会がオカミの上意下達機関として組織されたことがあった。占領軍が所謂「民主化政策」の一環としてこれを解体したが、様々な形でそれが復活しているのは周知の通りだ。当時の自治省(現・総務省)の関与を示唆する人もいる。一事が万事、民の生活の隅々まで関与し、指導訓育しなければ国民はよくない方向に行ってしまうらしい。随分国民も軽く見られたものだ。
地域本部(の中央本部!)にちゃっかり文科省のOB・OGが天下っているのでは、などと勘ぐりたくもなるではないか。大きなお世話なことのために税金を使う。こんな地域本部のために使う金があるのなら、脳梗塞などによる肢体不自由のリハビリに対する保険適用の打ち切り期間を延長したり、高齢者や女性の再就職支援に使う方がどれほど世のためになるか。
7回にわたる予算制度についてのブログでも書いたが、お役所はフィギュアスケートのコンパルソリーを滑っていれば良い。決められたことを、決められた通り公平無私にとり行っていれば良い。なまじフリー演技を志したりすると皆が迷惑する。
2008年 03月 24日