2014年6月17日
akira's view 入山映ブログ ねじれ(3)
太陽が東から出て西に沈む、みたいな余りにも自明なことをブログに書く向きもおありのようだが、筆者はそれにはためらいがある。だから、今回の福田首相の提案について、その中身がよくここまで踏み込んだ、とか、ま、少しタイミングに問題はあったが、民主党もこれは呑むべきではないか、などと、こと改めて書くつもりはない。
与野党が対立しているイシューがはっきりしない。何がどう対立するのか、それがなぜかが見えてこないのだ。米国の二大政党と同じように、あらかたは同じだが、あるイッシュー、あるいはアプローチだけに差がある、ということなのか、そうでもないのか。
民主党の指摘・追求のおかげで道路特会の運用実態のひどさが明らかになった。今回の福田提案を引き出す大きな原因なのは誰も疑うまい。ぜひ離れですき焼きを食べている実態は今後もどしどし明らかにしてほしい。しかし、それと一般財源化の時期とどうリンクするのか。ガソリン値下げ隊の陽動作戦は(あまり良い趣味だとも思わないが)それなりに効果があった。本来の作戦目的が達成されたら、陽動作戦にこだわるのは愚の骨頂ではないか。参謀本部というのはそのためにあるのだろうに。
「だめなものはだめ」といって原則論(とおぼしきもの)に固執するのが必要なこともある。しかし、機動的な政策運営に対して、固執すべき原則があるのなら、それがなぜかを説明しなければ単なる教条主義だ。どうせ責任政党がすべきことはしてくれるから、正論(とおぼしきもの)を述べていれば良い、という「お気楽」モードだと言われても仕方ないようなアプローチは取るべきではないだろう。
政権与党をぶっ倒さなければ民主党に政権は回ってこない、その意味で、民主党にとっては得ることこそあれ喪うものは何もない「政局」作り、早期解散に「追い込む」作戦自体は当然のことだ。しかし、それ自体が目的になって国民の短期的利益を犠牲にしても良い、というのでは、労働者階級による革命成就のためには、労働者階級が窮乏の極に達して立ち上がらざるを得なくすべきだから、当面の労働条件の改善はすべきではない、というかつての暴論に類似しはしないか。
2008年 03月 28日