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2014年6月18日

akira's view 入山映ブログ 官僚制度

 このブログの趣旨が、官僚の非行を暴き立て、その無能力を浮き彫りにすることである、と読み取られた方があるとすれば、それは意図と真実から遠い。個人としての日本の官僚は、おおむね清潔であり、有能であり、省益よりも国益を重んじる、あるいは省益を国益と錯覚するメンタリティの持ち主である。(もちろん中には度し難いのもいるが、それは何も官僚に限ったことではない。)個人としての資質や力量を問題にしているのではなくて、枠組みとしての官僚制、もっと具体的にいえば、システムとして何をすべきだと考え、何をすべきではないと考えているか。そのシステムの中でどのような特性を持つ個人が評価され、従ってそうした特性の持つ傾向が助長されるか、を問題視している。

 成功の陥穽、ということが一頃言われた。成功体験が改革を阻み、成功の記憶と甘い追体験の陥穽が没落を招く、という訳だ。日本官僚制、あるいはその産業政策、あるいは規制政策と戦後の高度成長、所謂「日本の奇跡」をリンクさせた議論も(最近でこそ余り耳にしないが)一世を風靡したものだ。仮にそれが一面の真理を伝えるものだとすれば、そして官僚自身がそれを信じることによって心地よい惰性に陥ったとすれば、それこそがモロに陥穽にはまったことを意味しよう。存在自体が素晴らしいものであることは歴史が検証している。だから存在自体を擁護し、永続を計ることは良いことだ、という倒錯した議論である。

 率直に言えば、そんなきれいごとだけではない。官僚機構とは税金を使う機構であることは明らか(‘7.12.14「税金をどう使うか」参照)で それ自体が巨大な利権構造であることも疑いのない事実だ。汚職、収賄というのは論外としても、外郭団体への天下り問題に象徴される官僚機構の負の部分は、なんと役員16人に対して職員1人(社団法人・国土政策研究会)という退職後給与保障機関とも言うべき恥知らずなものを生むところまで来てしまっている。小沢三原則ではないが、こういう手あかのついた制度疲労は一度きれいにする必要があるのは論をまたない。それこそが本来政権党に期待されるところなのだが、これが役人と癒着している趣が強いのなら、絶好のチャンスとして民主党に望まれる機能であり、またこれまでに一定の成果を上げていることも、何度もこのブログで触れた。

 官僚機構は近代国家にとって不可欠のものである。また、優秀な官僚をもつことは国民にとっても大きなプラスだ。しかし、官僚が無謬かつ全知全能な訳がないのも事実で、何をさせると優れていて、何には向かないか。「いいとこどり」は無理にしても、制度的に官僚機能と国民の利益が「より」一致する仕組みを考えるべきだ、というのが骨子である。これまでに、そしてこれからもこのブログで指摘する具体論がアラ捜しに見えたり、役人バッシングに聴こえたりすることがあるかもしれない。しかし、そんな非生産的なことをしているつもりはない、ということを一言。

2008年 03月 31日



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