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2014年7月4日

akira's view 入山映ブログ 俳諧

「根岸の里のわび住まい」というのは、どんな上の句につけてもよい重宝な下の句だと教わったことがある。「春立つや」でも「雪降りて」でもよい、という訳だ。川柳で云えば「それにつけても金の欲しさよ」ということになるのかな。 

 旧態依然とした官僚の発想。それに振り回される政治家。官邸リーダーシップの凋落。改革の停滞、というより逆戻り。財政赤字の悪化と経済成長の鈍化。これら一連の状態描写は、昨今のほとんどの社会現象の説明要因として「根岸の里」なみである。要するに日本が魅力のない国になりつつある(なってしまった、でないことを祈る)ということだ。

 外国特派員クラブの昼食会に出てみれば、現役の生きのいい記者には最近とんとお目にかからない。フリーランスのご年輩の「元」記者オンパレードである。それもそのはず、特派員を誰がこんな半分死んだような国におくか、好き嫌いは別にして中国、東南アジア、インド。一線の記者の腕のふるいようがあるというものだろう。ベストセラー作家のジャーナリスト・フリードマンにしても、「レクサスとオリーブの木」に比べて「フラット化する世界」ではインドに軸足が移っているのは明白だ。

 日本を魅力ある国にしようと思うと、考えつくのは観光庁の設置とか日本料理の検定などという愚にもつかないアイディアで、やっていることは羽田の国際化に反対したり、折角日本に慣れてコトバも上手になった看護士さんにとっとと祖国に帰れといったり、挙句の果てはエネルギー産業に外資は要らないと締め出したり。

 俳句をひねったり小言幸兵衛を決め込んでいる場合ではない。お国のことは官僚が仕切っていれば良い、という「公益国家独占主義」(星野)に代わって、民間の知恵を吸い上げる仕掛けを大至急考えなくてはならない。そのシステムをサポートする税制の改革は成果を上げたというのに、その恩恵に与ることのできる「公益法人」は存在しない方が良いとでも云わぬばかりの法律の改悪を試みる。

 「ねじれ」だ「政局」だ、といっている場合ではない。われわれに多少なりとも縁のある若手の政治家に、少しでもわれわれの声を聞いてもらおうではないか。迂遠かもしれないが。マスコミがこのていたらくではそれしか希望はない。解散がいつだ、内閣改造がどうだ、などといっているよりそちらが先だ。

2008年 04月 23日



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