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2014年7月8日

akira's view 入山映ブログ 財政危機

下に引用するのは小生宛の私信(引用にあたってご本人の許可は得ている。為念。)の一部だ。。

「10年ほど気長に市民参加をすすめながらあたらしいコミュニテイを育ててきたが、どうやら危機が迫っている。というのは、この公園を指定管理者を公募して引き渡すかもしれないという。この公園を管理してきた市の公社もその競争に参入するが、審査をする市役所はといえば、市民社会など、毛頭念頭になく、ただ安い方に決定することは眼にみえている。それが一番、説明が楽だからだ。そんな審査ならロボットにやらせればいい。公園が民営化すれば、金だけだ。市民参加など吹き飛んでしまうだろう。ともかく、地方自治体は金もなく、民営化の流れの中で、モラルの退廃はいちじるしい。」

起こっている事態が目に浮かぶようではないか。公園であれ、公民館であれ、どのような公共施設でも、いま全国の市町村で起こっていることの典型的な一例だ。

このエピソードには二つの問題点が潜んでいる。一つは言うまでもなく地方自治体の赤字問題だ。夕張や大阪は全国に有名になったが、それ以外の市町村でも悩みを抱えるところがほとんどだ。これまでの放漫な自治体経営と、それを許し、あるいはそそのかさえしてきたかつての自治省(現総務省)を始めとする中央省庁の責任は問われたという話は聞かない。また、どうやってとらせるのかについての意見も読んだことがない。従って。そんな経営者を選んだ選挙民のせいだ、とばかり、もっぱらツケは自治体住民にまわってきているようだ。第二の問題というのは、自治体の経費削減努力の手法に関わる。PPP(Public Private Partnership) PFI(Private Finance Initiative)VFM(Value For Money)といったヨコ文字が飛び交う中で、一円でも安い行政運営を目指した民営化の波が押し寄せていることに付随する問題である。指定管理者というのもその一つだ。ここでの問題は万事オカネ、安ければ良いのか、質はどうか、その質なるものをどのように定義して、そういうサービスが供給されるかどうかを判定する評価方式があるのか、という点だ。

これは上記の引用文から借用すると、「そんな審査ならロボットにやらせればいい」ような審査ではない審査が可能かどうか、という点だ。オカネが安い、というのは解りやすい。説明もし易い。そのうえ背に腹は代えられないところまで切羽詰まった自治体も少なくないだろう。しかし、オカネ尺度のみを重視するあまり文化とか歴史、そんな大上段に振りかぶらなくても人間性を忘れはてた結果何が起こったか、起こっているかは身の回りを見てみれば歴然としている。わづかでも余裕があるのなら、指定管理者選定の判定基準の中に、経済性(オカネの安さ)と同じくらいの重みで「事業運営への住民参加」とか「運営主体に対する住民関与」といった項目を加えれば良い。それは十分に可能だし、法律にさえなっている。科学としての評価手法は、その定量化をも十分に可能にしている。後はやる気だけなのだが。そうして見ると第一の問題に帰るのだろうか。

2008年 04月 27日



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