2014年7月14日
akira's view 入山映ブログ 政策論争
ちょっとホットな話題があったので、評価は一回お休み。
自民党内に「上げ潮」派と「増税(あるいは財政再建)」派の対立が目立つという。前者は歳出削減と経済成長に軸足をおき、後者は消費税増税ない限り財政再建はあり得ないと説く、という。(日経朝刊2008.5.3・2面「政策攻防」)
無駄な経費は削減すべきだし、経済成長がなければ長期の国の繁栄はない、ということくらい増税派のリーダー与謝野さんともあろう人が解らない筈はないし、冗費を節減して経済成長を図っていても、少子高齢社会でいずれ消費税増税が避けられないことくらい上げ潮派のリーダー中川さんだって百も承知だろう。それがことさらに「政局の火種」として扱われるのは、もちろんご本人たちの主導権争いや、政局好きの新聞記者が要素としては与って大きいだろう。
しかし、ことは物事の後先の問題ではないか。(ブログ2007.12.14「予算・増税の虚妄」)これを政治センスの問題、と言い換えても良い。朝三暮四ではないかと揶揄する向きもあるかもしれないが、決してそうではない。道路特会を始めとする唖然とするような税金の使われ方。官庁外郭の公益法人など無用の存在。天下り。無駄遣い。防衛省や農水省、文科省などいくつかは明らかにされているが、全省庁でこの種の問題を抱えていないところはないといってよいだろう。(会計検査院だけは例外かな?)まずそれを徹底的に洗い出す。あるいは国民が納得するところまで洗い出したふりをする。それからでなければ消費税であれなかれ、増税の話など聞く耳持たない、という反応になるのは当然ではないか。それさえ解らなくなっている感覚、というのは、山口の補欠選挙にこともあろうにこの時期に国土交通省のOBを平然と立候補させる感覚に繋がる。(社会保険庁OBでなかっただけマシか。)
両派共に、国庫累積債務600兆はさておき、単年度帳尻合わせの国債発行額37兆円に対して、冗費削減、歳出カットでいくら対応しようとしているかを明らかにすべきだろう。(それが出来なければ、民主党公約の財源があやふやだ、と批判できた義理ではない。)必要な道路は作るなどと浮かれている場合ではないことが判然とする筈だ。というのも、少子高齢化に伴って「放っておいても」増加せざるを得ない歳出が多額に上るからだ。道路どころではない。後ろ向きのこうした話と同時に、経済成長に向けての投資が、あるいは支出が、どれほど必要なのかも併せて明らかにすれば良い。それこそお役所お得意の中期計画ではないか。
後期高齢者問題が、説明不足によってどれほどの問題を招来したか。両派の皆様も「永田町言語」あるいは「霞ヶ関言語」で議論しているのではなく、国民に解り易い日本語での議論を心がけていただきたいものだ。
2008年 05月 04日