2014年7月23日
akira's view 入山映ブログ 政治家の本分
自民党伊吹幹事長が「洞爺湖サミットを主宰する福田首相をこんな(低支持率という)姿で出す訳にはゆかない。」だから支持率向上の為に「低所得者層への配慮などの所得対策」を打ち出さなくてはいけない、というテレビニュースを見た。まあ、伊吹さんともあろう人が、というべきか、さすが自民党の大物ならば、というか、支持率向上のみを目的とする政策に、これほど明白に言及する、というのは、有権者も随分ナメられたものだ、と思う。
世論の動向がどうあろうとも、行うべきだと信ずる政策は敢行する、というのが政治家の本分だろう。別に自民党あるいは保守政党の提灯を持つつもりはないが、不人気承知で行くべきと信ずる途を選んだ保守政治家は、日米安保から消費税まで枚挙に暇がない。それがどうして逆転した論理が横行するのか、のみならず逆転するような言辞を公にしてはばからない領袖が出現するに至ったのか。
不人気な首相の脚をさらに引っ張ろう、という意図の発言なら理解できないでもない。しかし、真の意図がどこにあるのであれ、それがどれほど選挙民を愚弄するものであるかは他ならぬ伊吹さんが一番ご承知だろう。ならば、任期満了まで待っていたら余りの不人気に惨敗が見えて、やむなく事前解散に持ち込まざるを得ない、それを見据えての本音がチョロっとでてしまった、と考えた方が良いのか。(07.12.30「ねじれ」08.3.27「ねじれ(2)」4.29「ねじれ(4)」)
石器時代の遺物のような政治家が、道路を巡って、あるいはこともあろうに野党の中に存在感を誇示する中で、福田首相にはなお期待するところ少なくない。日本のためには、とにかく既存の利権構造、特に官僚組織と政・財をリンクするそれを破壊するしかない。破壊の後の受け手についてはやや心細くないでもないが、「民」の底力を見せるしかあるまい。それが出来なければ、どのみちグローバリゼ−ションの中、この国に将来はない。
2008年 05月 17日