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2014年8月5日

akira's view 入山映ブログ バブル

 1年後に10円返してもらう約束で、利息を天引きして9円のオカネを貸した。その借り手が、今度は利息2円で10円を又貸しして8円を渡す。以下7円、6円と、まあきりがないからこのあたりで止めたとして、ゲンナマは10円しかなかったのに債務(信用)の総額は40円になる。誰かがどこかでこけると、大騒ぎになる。

 このフェルメールを10億円で売った、それを聞きつけた人が割安だから将来値上がりすると踏んでその買い手を説得して11億で買った。以下繰り返して20億円まで行ったとしよう。さすがに誰も買わなくなったら、最後の買い手は壁にかけて楽しんでいる他はないが、値上がりを当て込んで借金で買ったとすればそんな優雅な話ではなくなる。

ご存知サブプライムが前の話で、バブルがはじけて最後にババ(トランプ遊びだから差別用語にならないことを祈る)を引いた話が後の方だ。前の方の話はネズミ講と違って倍々ゲームのように乱暴な話ではなく一回毎のサヤ(スプレッド)は小さい分だけ増えまくるのだが、おかしくなった時に年金基金がからんでいたりすると政治問題化する可能性はあるし、金融機関が本格的におかしくなっても税金投入みたいな話になるのは経験済みだ。その点では後の方の話も個人投資家が泣きを見て幕、という話で済まない場合には似たようなことになる。

 どちらの場合にも、借金付けになっているどこかの国の財政と同じで、インフレが来て実質の借金が目減りしてくれるのを祈る、みたいな乱暴な話をよく聞くが、年率10%のインフレでも半額になるのには8年がかりだから、そのタイムラグを持ちこたえられるかどうか、持ちこたえられるのは誰か、ということになる。まあ、個人投資家でないことだけは確かだろう。

 残念ながらどちらの方も法的に禁止することはできない。一国の中だけで閉じられた取引ならば、目に余る行動を制限したり、制度的に対応する(税金投入を含め)ことはある程度可能だが、グローバリゼーションの世の中で取引が国境を越えてしまうとほとんど実効性のある対策は皆無だというのが現状だ。だから穀物や石油が法外な値上がりをしても、なす術がないことになる。国際金融取引を巡ってはトービン税のようなアイディアもあるが、一カ国でも網の目から漏れると役に立たないのだから、京都議定書を見ても明らかなように、現実味があるとは些か考えにくい。

 どうせいつか、どこかで止まる、あるいははじけるのは確実なのだが、軟着陸シナリオというのが言うは易しく、というのも周知のとおりなのは、中国経済と同じことだ。いつかは襲ってくる直下型地震と同じで、取り敢えずは水と食べ物を備蓄しておくしかないのかもしれない。さて、知恵者はいないものか。

2008年 06月 05日



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