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2014年8月11日

akira's view 入山映ブログ 泥縄

 余りの評判の悪さ、引き続く失態を糊塗しようとしてか、よくもまあ、泥縄の対策を次から次へと打ち出すものだと思う。いわく、低所得の後期高齢者には特別に軽減措置を講じる。いわく、国会閉会中は試験的に国交省のタクシー券をやめてみる。政治家がお出しになった知恵なのか、お役人の作文なのかは知らないけれど、誰を気にして、誰を喜ばすつもりかは知らないが、センスの悪さを通り越してグロテスクでさえある。本来ならばその愚劣さを指摘してテレビにカッコ良く映る筈の民主党がなんと引きこもり中で、マスコミもだんまり。

 くさい臭いは元から絶たねばダメ。ところが芳香剤(と本人たちは思っているのだろう)をシュッと一吹きで、どこかのコマーシャルではないが、国民はコロリとゆくと思われたようだ。こんなに甘く見られているのも、その原因のひとつは、情緒的な反発以外に反応の仕方を知らないわれわれ国民の側にも責任がある。説得力ある根拠に基づいた対案、あるいは代案を提示できる組織、あるいはチャネルを持っていない。なぜそういう装置がないか。知恵のある人がいないのか、そうではない。そういう仕掛けにはオカネがかかる。そのオカネの出し手がいないのだ。

 繰り言のように出羽守を述べ立ててもしようがないが、例えばこの世の中に不条理、不合理があって、なんとかしなければならない、と思うと、アメリカではビル・ゲイツが何兆円かの私財を投じて財団を作る。日本のIT成金は、まあ稼ぎのケタが違うこともあってか、夜な夜なパーティーを開いたり、月旅行の切符を買う以外の使い方を知らない、というか志がない。なんて、貧乏人が負け犬の遠吠えをしていても仕方がないが、ことほどさように、公のことはオカミに任せておけばよい、としっかり洗脳されつくしている。

 今回の公益法人制度改悪(2.7「公益法人制度改革」)に付随して唯一起こったよいことは、志ある組織や活動に対して行う寄付に対する免税措置が拡大されたことだ。税金で優遇されなければ寄付はしたくない、というのも寂しいものがあるが、それは不問に付するとすれば、問題は寄付する人がいるかどうかもさることながら、寄付をしたい、と思わせるような活動があるかどうか、そして、それが寄付者の期待をいかに裏切らないかという証明、あるいは保証の話になる筈だ。それは「評価」の話になる。稿を改めたい。

2008年 06月 15日



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