2014年8月27日
akira's view 入山映ブログ タクシー
まさかと思っていたら、国交省は本気でタクシーの台数規制を復活させるらしい。大義名分は(台数過剰による)運転手の労働条件悪化(による乗客の安全への悪影響)を予防改善するということのようだ。よくよくお役人の頭には自由経済の四文字がないようだ。
タクシーの台数や料金に妙な規制を設けたり、外したりするからことがおかしくなる。どちらも自由化すれば、落ち着くところに落ち着くのであって、調整過程でいらざるパターナリズムを持ち出すから、さらでだに歪んだ形がますます歪みっぱなしになることになぜ気づかないのだろうか。
タクシー運転手が割の良い仕事だと思えば人が集まる。過当競争になってそれほどでもなくなればよその仕事に移る。料金も安すぎると思ったら高くすれば良い。高すぎたら客が乗らなくなる。それだけのことだ。ニューヨークのイエローキャブのように営業権(メダイヨン)が個人間で売買され、景気によってその市場価格が上下する、ということにでもなればもっと結構だが、日本のお役人が相手ではそこまでゆくまい(美味しい利権がなくなる)。
経営者がもうけすぎて運転手の取り分が少ないという。これもなんとかならぬかとお役所が考えているらしいとも言う、冗談ではない。日雇い派遣ではあるまいし、労働分配率の問題は労使に任せておけば良い。最低の労働条件、安全基準についての法制さえあれば、後はなまじ役所が介入しない方がうまくゆく。それが証拠に役所の許認可が色濃く残存している業種ほど時代から取り残されている、絶滅が危惧されるから役所が保護するとでも言うのなら解らないではないが、自らの手で時代に取り残される感覚を育成するのはいかがなものか。
あの訳の分からないタスポ(タバコ自販機の成人識別装置)なるものも、業界団体がオカミにお願いして一片の局長通達で実施されたものだとか。(その業界団体に天下っている財務官僚がどれほどいることか。)タクシー業界も定めし過剰競争を何とかして下さい、とオカミに陳情するのだろうな。業界団体と役所がなれあい、それに政治家が一枚噛む。前世紀の遺物だと思っていたこの構図は依然として健在なのだろうか?利用者、消費者の姿はどこにも見られない。
2008年 07月 12日