2014年9月2日
akira's view 入山映ブログ お役所任せ(2)
前項「お役所任せ」に関してご意見を頂いた。公開コメント欄に書いていただくようお願いしているのだが、内気な方が多いのか、小生宛の私信の形で頂くものが圧倒的に多い。今回のそれは少しはっきりさせておいたほうがよい論点が含まれているので、再掲してコメントを付しておくことにする。
ご意見というのは、「食品偽装や湯沸かし器事故の様に、刑事罰や製造禁止と言った厳しい措置が望まれるものについては、公権力による規制が望ましいのは当然であって、これを民間非営利組織の手に委ねるのは法治国家の原則に反する、場合によっては私的制裁(リンチ)をみとめることになりはしないか」というものだ。(ご意見幾つかを集約・要約してあることをお断りしておく。)もちろん刑法、あるいは民事罰の対象になるものついて、裁判の形で公権力の裁断を仰ぐのは当然であって、これに変わって私的制裁を加えよというのが主旨ではない。
しかし、ある製品について消費者から苦情が多発したり、危険が予想されている状態が頻発している時に、消費者団体、あるいは市民による監視機構のようなものが、こまめにそうした情報を収集、提供するのには予防効果が大きいはずだ、ただ手を束ねてオカミの沙汰をお待ちするだけが唯一のありようではあるまい、というのが論点である。特にインターネットへのアクセスが日常化している現在ならなおわらのことである。業界に対する思惑やしがらみから、情報公開が後手後手に回ったケースは薬害エイズ、さらには欠陥商品のような場合に、消費者の目線に立ってこうした情報を提供・参照できる組織があれば悲惨な結果を予防し、市民の利益になることは疑いあるまい、
それら情報の取捨選択、分析解明に相当数の専門家を擁した組織が「製品110番」のような形で成立することがまず市民の側の自衛策として考えられねばならない、しかもその種の情報が定期的に公開されていることは、絶大な予防効果を生む筈だと考えている。そんな組織の実例は欧米には数多いが、問題は活動資金源と情報の公平性だ。役人の悪口を言ったり、その対応の遅さ、不十分さをかき口説いている前にすることがあるのではないか、と思う。
ことは何も欠陥商品だけではない。公共の場所、道ばた、海岸のゴミについても、清掃事務所に電話をしたり、要望を提出する前に、住民の手で清掃活動をするという態度は「オカミは何をしている。」という前に「自分たちの手で何が出るか」という、まさしく市民自治の第一歩のように思われる。相筋力・組織力・マンパワー、全ての点で市民の自発的参加が必要になるが、本来これこそがコミュニティの復活とか、市民連帯と言われるものの第一歩である筈だろう。とかくお仕着せの活動になりがちな町内会などの活動に対しても、こうした目で見直してみるのも一法かも知れない。
息苦しい近所付き合いはまっぴらごめんだ、という(特に都市部の)市民も多いことは大いに予想される。しかし、団塊の世代を中心に退職者が増加し筒ある今、単なる暇つぶしや「そば打ち」「ゲートボール」に加えて、こうした社会活動の組織化には大きな可能性があるように思われる。
2008年 08月 06日