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2014年9月16日

akira's view 入山映ブログ ヒラリー(2)

 毎度ヒラリー讃歌に聞こえてしまう(6.12「ヒラリー・クリントン」)かもしれないけれど、27日デンバーで開かれた民主党大会での彼女のオバマ支持演説にはまたしてもしびれた。言葉とかスピーチの持つ力あるいは魅力がかくも素晴らしいというのは、それを欠いて民主主義が可能だろうか、とさえ思わせるものがあった。彼女の夫も天才的なスピーカーだったが、もしかすると彼女は彼をしのいでいるのかもしれない。まだお聞きになる機会がないようだったら、ぜひhttp://www.huffingtonpost.com/2008/08/26/hillary-clinton-democrati_n_121584.htmlで聞かれることをお勧めしたい。

 さて、こなた日本の政治家のスピーチだが、最近生きの良い外国人ジャーナリストがほとんど見受けられず、フリーランスの引退記者と日本人報道関係者のみ目立つ外国特派員クラブが、時に領袖クラス以外の次世代の政治家を招いて昼食のセッションを開催している。26・27の両日、野田聖子大臣と、前原民主党副代表をそれぞれスピーカーに迎えた。双方ともになかなかの出来で、特に話し終わった後の一問一答の歯切れの良さは印象的だった。ヒラリーとはゆかないまでも、日本にもコトバを生かした政治家が新しく出現しつつある、という感なしとしない。

 野田大臣は、小泉首相に刺客を送られた前後の事情についてきわどい質疑を繰り返した後に、「皮肉で言っているのでも、反語でもないが」小泉首相ほど首相の持つ全ての権力をフルに行使した人を知らない。のみならず、やる、と決めたことは断固やり抜く、という政治家も始めてだった。とても勉強になった、と言ってのけた。さらに、少数女性議員であることによる差別を感じたことはなかったか、という質問に対して、40歳を過ぎた私のことをいまだにお嬢ちゃん呼ばわりをしたり、セクハラめいた発言をする人もいないではないが、父親の年齢を超えた人が多く、男性に言われたという意識はない。むしろ当選二期目に郵政大臣に任命された時、先輩男性議員が「おれもスカートをはいていればもっと早く大臣になれたよな」とすれ違い様に言われたのが印象に残っている、とさらりとかわしたのはなかなかだった。

 前原さんの方もかなりホンネの答えが好感を与えたが、例えば解散時期その他について自民党が公明党に気配りをしているのではないか、という質問に対して「小選挙区では創価学会の応援がなければ勝てない選挙区がほとんどだから」やむを得ないだろう、と答えたり、党首選に対立候補が出ないのは残念だ、と明言。さらに財政再建を含め、民主党の公約なるものに実現性と現実味がないのではないか、という質問には、地方分権の推進、天下りと公益法人のゼロベースでの見直し、無駄な公共事業の見直しを徹底先行させることにより、増税に対する国民の支持は得られると思う。それらの施策による財政上の効果に即効性はないが、とりあえず一期目の民主党政権にはそれが精一杯だ、と率直に答えた。それにしても、公益法人とはお役所の外郭団体に他ならず、ゼロベースで征伐する他はない、という発言は、誰のブリーフィングを受けているのかは知らないが、残念であると同時に、公益法人側にもPRが全く不足しているという感を深くしたことだった。

2008年 08月 28日



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