2014年9月19日
akira's view 入山映ブログ テレビ
この週末のプロ野球は、往年の黄金カード巨人・阪神三連戦。しかもセ・リーグで阪神独走を許すか、巨人が食い下がるか要の試合である。ところが地上波のテレビ局は一局も放映しない。野球人気がそれほど低調になったということだろうか。オールド・ファンには隔世の感である。もっともそんなに野球人気が低いのなら、NHKのBSはなぜあんなにしつこくメジャーリーグの試合を放映するのか疑問ではあるが。一方でラジオの民放三局はいつものことながら全局そろって巨人阪神戦の中継。不思議といえば不思議だけれど。
ではそれに代わってサッカーの中継でもあるかといえばさにあらず。視たことはないが、番組のタイトルからおよそ察しの付こうというバラエティ番組。あるいはかわいい女性が「オイシー」を連発する食べ物屋ルポ。制作費倹約としか思えないのだが、あるいは本当にあの方が視聴率が高いのか、門外漢には不明である。それともオリンピックでお金を使い過ぎたのかな。一つ確実に言えるのは、いまやわが国を代表する視聴者になりつつある前・後期高齢者の一員としては、地上波テレビの魅力が日を追うにつれて減少している、ということだ。テレビ衰退論は言われて久しいが、余命をつなぎ止めるだけの貧相な番組という末期症状なのだという人もいる。
わづかに歯ごたえのある番組がさすがに多いNHKだが、番組構成や出演者のおちゃらけ傾向はここでも止めがたいようだ。とすると、制作費云々ではなく、そもそも余り四角四面な取り組みは好まれない、という世相の影響なのかもしれない。だとすれば、なまじ一億という格好の市場だけを相手にしていれば食えなくもない、というマーケットそれ自体の問題だといった方が当たるのだろう。世界市場を相手にしていない。あるいは出来ない。だからCNNは絶対に出来ないし、国内問題では歯切れの良いモーニングショーが、国際ネタになったとたんにつまらなくなる。
日本の常識、世界の非常識とか、日本ミッシングとか、自虐的な表現に事欠かないが、実は問題の根はもっと深いのかもしれない。とにかく平仮名やカタカナを作ってしまうし、坊さんが妻帯したり、お寺さんが戒名を商売にするというユニークな仏教は創る。典型的な社会主義国家を市場経済のもとで完成させる。日本人だけを相手にして、日本人にしか解らない文化を作り上げるのは、これで存外日本人のDNAなのかもしれない。いや、巨人阪神戦から随分話が飛んだ。
2008年 09月 01日
