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2014年9月21日

akira's view 入山映ブログ 福田辞任

 10日ほど新聞のない(TVはあります)コロラドの山の中にいたのですが、ご無沙汰の間、世界大戦こそ起こらなかったものの、いろいろな事件は発生していたようです。アメリカでは大統領選花盛り。マケイン陣営が無名のアラスカ州知事を副大統領候補に指名したことから、さまざまな論評が飛び交ったのですが、それについてはいづれ触れることとして、帰ってきて驚いたのは福田首相が辞意表明。早速自民党総裁選に名乗りを上げた人々が選挙戦というニュースです。日本の首相の辞意表明なんていうのはアメリカのテレビニュースになりませんから、これはびっくりしました。いささか旧聞に属するニュースだけに、おおかたの論評は出尽くしているのだろうと思います。目を通していないので、もしかすると二番煎じ、重複のコメントになるかもしれませんが、所感を一言。
 
 福田さんという政治家は、ケレン味やはったりと縁の遠い人だとお見受けしていただけに、この行動は演出効果やドラマ性を求めてのものではないだろう。でも、万が一、総理辞任を来るべき選挙目当ての方便として道具に使われたのだとしたら、日本国総理大臣の重みというのは随分軽いものなのだなあ、というのが偽らざる実感。なに、もともと軽いよ、と言われればそれまでだが、米国大統領選のありよう、というかその熱気と比較してみると、一層その感が深い。民主党が党内結束のためには、と党首選に対立候補を出さないというのも、挙げ句に党首が対立構図を明らかにするために選挙区のお国替えを考えている、などという次元のお話も相当いかがなものか、と思われるが、政権与党が同次元に降りて戦術を展開したのだとしたら、これはもう何をか言わんや、ということになる。だから、ぜひそうではなくて、ほとほとやっていられなくなったのだ、と解したい。だからといってことが正当化されるものでもないのではあるが。

 やってられない、とすればその一は公明党との関係だろう。もともとこの政党に権力の味を覚えさせたのは他ならぬ現民主党党首その人なのだが、その結果役人の言いなり大臣が生まれたりしたのは記憶に新しい。この党にとって致命的な筈の小選挙区制の不利を逆手にとって、選挙協力がなければ自民党は選挙に勝てない、と本気で思い込ませた策士がいたようで、それかあらぬか、言いたい放題ですごみを利かされ、さらにそれを利用して党内で主張を通そうとする一派が発生するに及んでは、うんざりする気分も解らないではない。だが、ことの本質はそんなことにある訳ではなく、二院制のもとで「ねじれる」と政治が立ちゆかなくなる、というところにある。それを辛うじて担保していたのが衆院における三分の二多数だが、これは例外とも言うべき事態で、そうでない時にどうするか、という知恵は(一院制を含め)もっと検討されなくてはならない。仮に次の選挙で民主党が勝てばいささか事態は好転するだろうが、ちょっと考えてみればそれが長続きしないことは誰の目にも明らかな筈だ。まあ、政治というのは生き物なのだからそれなりに試行錯誤をすれば良い、という人もいるが、そんなのんきに構えていられる事態でもないように思う。(この項続く。)

2008年 09月 15日



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