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2014年9月22日

akira's view 入山映ブログ 福田辞任(2)

(承前) 振り返ってみれば、日本はごく例外的な短期間を除き、自民党一党が政権を担当するという環境に慣れ親しんできた。意見を異にするグループ相互が公開プロセスの中で調整や妥協を行うという技術に無縁のまま、代償作用としての自民党内派閥間の合意や離合集散という民主主義ごっこがまかり通ってきた訳だ。それはそれで結構機能してきたし、結果もそれほど悲惨なことにならないどころか、優秀な国民の能力もあって、経済的成果を中心に、極めて満足すべき成果を収め続けてきたのは異論のないところだろう。しかし、肥大を続ける組織の常として、自民党はやがて分裂を余儀なくされる。(民主党の中にかつて自民党に所属していた人がどれほどの数存在するか、考えるまでもなくこの現象は明らかだ。)一旦分裂して異なった個体になると、今度は相互関係は「なあなあ」や「まあまあ」では済まなくなる。これまで公開・透明な意見調整をした経験がないから、この両者の間では、断固対決(これには懐かしい審議拒否も含まれる)か大連立のどちらかしか思いつかない。それ以外の方法を思いついている人もいるにいるのだが、前例がないから覚束ないと考える人が多く、残念ながらモノにならない。

 ごくごくおおざっぱに言えば、今日の政治過程の鳥瞰図はそんなところだろう。このプロセスの調整役あるいは指南役としての官僚システムの存在は大きいが、これとても一党支配の枠組みに依存していた、という意味では同工異曲である。小沢さんがむずかって辞めるといいだしたのも、(安倍さんはともかくとして)福田さんがホントに辞めてしまうのも、要は「ねじれ」という新しい事態に対応できない、という悲鳴に過ぎない。だからオトナの知恵としては、向こう数年くらいはブレないで済むような法律を三分の二が利いているうちに通しておいて、それから選挙、というのがあるべき姿だった。仮に早まって解散総選挙みたいな事になり、そこで民主党が勝てば、とりあえず「ねじれ」は解消する。しかし数年のうちにまた同じような事態が発生することは避けられまい。民主党が大成長を遂げ、安定した一党支配をしばらく続けるというシナリオもないではないが、(こんなありそうもな筋書きでさえ)ことの本質的解決になっていない、というのが後遺症の怖さだ。

 そして結局高笑いをするのが官僚システムだということになる。政治家を百人行政に投入するだの、霞ヶ関支配を阻止するだの勇ましいのは結構だが、これまでの手法が念頭にある限り、それは安定した議会勢力に裏打ちされていなければならない。さもなければ、対立政党間で、価値観はともかく、手法を巡っての政策協定が大事だろう。機能不全に陥ったエンジンを搭載したクルマを、どちらの大将が運転するかを争うより、とりあえず両者で協力してエンジンを修理してからの争いにしてほしい、と思う。

2008年 09月 16日



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