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2014年9月23日

akira's view 入山映ブログ ねじれ(5)

 友人からメールあり。例によって、ブログの投書欄には書いてくれないのだが、いわく「自公政権の続投が念頭にあるのではないか。民主党安定政権の可能性を否定しているように読める」と。これは本意ではない。むしろわが国二院制の問題点を指摘しているつもりなのだが。よってややくどいが再論。

 これまでに何度も書いた内容(12.30「ねじれ」3.27同(2)4.29同(4))なので繰り返さないが、来年9月には衆議院任期満了による総選挙は必至だ。国会冒頭解散も噂されている中で、いまさら何を寝ぼけているのかと言われそうだが、現在衆議院で与党がかろうじて三分の二を占めているから、最低限の政策執行能力は担保されている。次の衆議院選挙では、相当な自民党びいきでも296議席取れる、と思う人はいないだろう。もちろん選挙は水ものだから、何が起こっても不思議はないが、かりにそんな事態が起こったとしても「ねじれ」は後1年から3年(どうかすると5年)は続く。まして、多数は取ったものの三分の二までゆかなければ、「ねじれ」現象は最低限の保証さえ喪って漂流を始めることになる。

 というのも、次の参議院選挙は2009年だから、次の選挙で与党が過半数を制するためには改選121議席中76議席(現有57)を獲得するという「地滑り」が起こらない限り参院における劣勢は継続し、仮に善戦健闘、失地を回復に努めたとしても、おそらく2011年(どうかすると13年)までは過半数回復は物理的に不可能だという事になる。ここまでは単純な算数の話だ。これにひきかえ、民社党と野党連合の方は、次の衆議院で過半数を取りさえすれば両院で多数、つまり「ねじれ」は解消してめでたし、めでたしになる。来年の参議院選挙もおそらくは上に述べたような事情で大丈夫だろうから、当分はご安泰である。衆議院選に熱も入ろうというものだ。無責任な評論家の中には、「だから」一度民主党にやらせてみるのが日本のため、みたいな議論さえ見られるのはこの理由による。要するに次の選挙は民主党にとって喪うものが何もなく、自民党にとっては得るものが何もない選挙、ということになる。

 さて、れば・たらは政治の世界では意味がないが、仮に次回衆院選で民主党が(野党連合としてでもあれ)過半数を取り、安定政権を築いたとしよう。3年から5年後には、再び「ねじれ」る可能性がある。のみならず縁起でもないが、単なる論理的可能性として、その間に民主党の失政でもあって衆議院解散、敗北ということにでもなれば、今の状態と同じ事になる。政治は水ものだからいいじゃないか。成り行きまかせで淡々としていればなるようになるさ、という意見もあるだろう。しかしその昔フランス革命に際して「上院は下院と意見が一致するのなら無用であり、異なれば有害である」と言われた頃と問題の本質は何も変わっていない。

 ねじれた場合の対処の仕方、ねじれないようにする工夫は、検討すべきではないか。一院制ももちろん選択肢だし、米国式に両院の代表原理と決定事項に差を設けるやり方もある。もちろん民主主義というのはチャーチルの言うように最悪の統治形態なのだから、多少ぎくしゃくするのには我慢すべし、という考え方もあろう。しかし、あれほどの人数をかけて、同じ案件を両院で審議することにどれほどの意味があるのか。何より、政治主導による改革を言うのなら、まず隗より初めて議員定数やその規模にメスをふるえば、その効果も大きかろうというものではないか。奇しくも問題状況を露呈させ、それが現出している好機を捉えて議論をするまたとない機会ではないか。

2008年 09月 17日



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