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2014年10月9日

akira's view 入山映ブログ 内需拡大

 国会での論戦が、わづかではあるが期待される「政策論争」の色彩を帯びてきたことは結構なことだと思う。もちろん政治が権力闘争の一面を備えているのは明白で、日本経済や世界経済、はては社会福祉から環境問題にいたる幅広い政策課題について「立ち技」としてのまっとうな議論以外に、その局面をいかに自分たちの所属するグループを利する形で利用するか、という動機が働くのは当然だ。だから、次回選挙で喪うものがなにもない民主党が、喪うものしかない自民党に対して、ことあるごとに解散総選挙に引き込もうとするのは当たり前で、そのためには揚げ足取りや失政の指摘をこととするのも当然の戦法ではある。要はバランスの問題で、後者を急ぐあまり前者を放念することが比較的少ないのは望ましい傾向だ、ということだ。

 その視点から、もう少し焦点を当てられてよいと思われるのが、言われて久しい内需拡大の問題だ。国際問題研究所が定期的に発行している英文のAJISS Commentary 47号(10月8日)に掲載された小島明氏のコメントはその意味で注目に値する。その中で、氏は米国の巨大な双子の赤字に論及し、だぶついた行き場所のないドルが世界金融危機の根底にあることを指摘し、米国政策当局がこの傾向に対して無策であり、顧みて他を言う(「問題は米国の国際収支赤字ではなく、世界の貯蓄過剰にある」というのはその一例)に留まっていることを批判する。しかし同時に基軸通貨の多元化の必然性(ドルでしか費えない限り帳尻が米国の赤字になるのは必然)を予見するとともに、諸国、特に日本の内需拡大の必要性を力説される。きわめて正当だと思う。麻生総理は景気対策の重要性を力説はされるものの、かつての前川レポートのように明示の形で日本の内需拡大には言及されない。惜しむべきである。

 税制改革の一部として提起されていると聞く日本企業の海外利益の日本還流に二重課税を避ける、というのはそのほんの一例で、大企業優遇だ、金持ち優遇だ、といういわれのない批判を予防する意味でも、その持つ意味を、内需拡大のコンテキストのもとで明確に示すべきだろう。政策の受け入れられ方は、その政策それ自体の持つ意味もさることながら、それをいかに提示し、その意義をいかに解りやすく説明するかにかかる。後期高齢者制度(これにはそれ以外の要素もあったことは事実だが)を教訓にすることができることを望んでおきたい。内需拡大を公共投資や、一国内で自己完結する対策のみで語ることの出来る時代は終わった。小泉構造改革は国内政策であると同時に、国際政策でもあったことは忘れられてはならない。小泉氏の持ち前のカリスマ性から、その側面はプレイアップされなかったが、誰しもがその芸当が出来る訳ではない。日本の国際貢献はODAや自衛隊の海外派遣だけではない。

2008年 10月 08日



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