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2014年10月10日

akira's view 入山映ブログ タイ

 タイの政情が一向に落ち着かない。どころか、いっそう混迷の度合いを深めているように見える。2006年にはタクシン政権打倒にクーを起こした国軍も今回は今のところ静観を決め込んでいるし、これまでのパターンであれば、秩序回復のために表舞台に登場する国王にも、全くその気配が見えない。それもその筈で、汚職のかどで英国に亡命を余儀なくされたタクシンの後には、傀儡視されているサマックが首相に収まり、彼がテレビの料理番組から出演料を貰った(!)として憲法裁判所に罷免されると、その後をタクシンの義弟が継ぐ、という有様である。

 それでは首相官邸を占拠し、国会議事堂を封鎖しようとして警察に排除された反タクシン勢力の民主主義市民連合(PAD)が白馬に乗った正義の騎士かというと、タクシンによって利権から排除された旧支配勢力が後ろで糸を引いている、という説まであり、いまひとつ国民の支持が盛り上がっていないようだ。もちろん、街頭での反政府行動は誰かが後ろにいる、という説はミャンマーの軍事政権がかつて僧侶たちを弾圧したときにも用いられたレトリックだからにわかに信用は出来ない(8.1「陰謀説」)が、先に述べた軍や国王の動向からして、全くのガセネタという訳でもなさそうだ(本稿、だろう、らしいが多すぎて申し訳なし。)、というから事態収集にはもうしばらく時間がかかりそうだ(!)。

 ミャンマーといえば、タクシン一派に連なる人々が国境密貿易をミャンマー軍事政権と共同管理していたというのも公然の秘密で、ASEANにおいてタイが軍事政権に対する制裁に反対し、建設的関与(constructive engagement)を唱える際(7.9「CLMV」)にも、彼らと同一視されるのはご免だ、という声は既に聴かれていた。さほどにタクシン政権とその後継者のなりふり構わぬ一貫した軍政擁護は人の知るところだ。料理番組に出て罷免されたサマックはプロはだしの料理上手だが、ミャンマー軍政のトップたちのために自慢の料理の腕を披露した、というのはあまり日本のメディアには報道されていない。(もっとも余りの「すり寄り」ぶりに、却ってタンシュエ議長が側近に軽侮の念を表明した、と伝えられるから、世の中一筋縄ではゆかない。)

 さて、イラワディ誌のアウン・ザウ氏が危惧するように、街頭デモを武力で押さえ込んで「民主」政治を実現しようとするミャンマーのお手本をタイ政府も見習うのだろうか。そしてタイと軍政の蜜月関係はこれからも続くのだろうか。

2008年 10月 09日



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