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2014年10月13日

akira's view 入山映ブログ 世界株安(2)

 凄まじい株安になっている。連休明けには一段の進行が見られても不思議はないだろう。日本の場合、東証の6割が外人投資家だという構成になっているから、ちとやそっと国内投資家が割安感や底値狙いで入ってきても回復は難しいだろうし、第一国内投資家も怯えきっている様子だから、それも「れば、たら」の仮定に過ぎないと見るべきかもしれない。G7の出来上がりを見ていると、国際協調によってどこまで不安心理や流動性危機を封じ込めることが出来るかも不透明だ。だからといって、政策当事者たるもの、「なに、株なんていうものは下がるところまで下がればまた上がるさ」、と高みの見物を決め込む訳には参るまい。とりあえずは年の瀬を控えて、企業の資金繰りが破局を来さないような施策と、円高を利しての内需喚起、さらには可能な限りの減税、といったところが政策日程に上がっているようだが、これは大急ぎで実施しなくてはなるまい。のんきに政治家が書いた文章は重いの軽いのとといっている場合ではない。解散総選挙などというのは論外だというべきだろう。

 サブプライムに始まる一連のバブルについて、小幡績「すべての経済はバブルに通じる」(光文社新書)は格好の入門書だが、昨年暮れからの一連の株安に言及した後に、巻末にさりげなく触れられた筆者の予測する「これまで以上の激痛と悶絶」をいまわれわれは味わっているのかもしれない。実体経済と金融資本の逆転現象を筆者はキャンサーキャピタリズムと呼ぶが、このたとえによっていうならば、今は必死になって抗がん剤や放射線治療を試みる時だろう。病院の経営者更迭のために当分休院する話ではない。筆者は経済のスペシャリストではないし、ましてこのブログが予言者を気取るつもりもないが、現在われわれが市場経済につきものの景気波動とはまた別の意味での激震に襲われていることは容易に理解できる。その大勢を政治が覆すことなど出来っこないが、少なくとも予想されるの苦境に対するセーフティーネットを用意することは可能だろう。泥縄であれ、なかれ、それが政治というものだと思う。

2008年 10月 12日



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