2014年10月20日
akira's view 入山映ブログ アフガニスタン
イラクはともかくとして、アフガニスタン派兵の増強については、マッケイン、オバマ両候補に意見の一致が見られているようだ。いうまでもなく9・11実行犯のアルカイダとその首魁ビン・ラデンの掃討が目的である。
そもそもイラク侵攻も、その大量破壊兵器保持とアルカイダとの関係(この両者の間にも因果関係があると噂された)を理由とするものであったが、結果的に両方とも存在しはしなかった。関係の存在について米国が踊らされた情報がアルカイダの謀略による、という説と、いやそもそもないことは知っての上だったのだ、という説がある。それはともかく、カルザイ政権を擁立してはみたものの、予想された通り腐敗はひどいようだし、治安の回復もとても予告通りには進んでいない。どちらにしても、これ以上の泥沼化を回避するためには、現地政権に後事を託して、早かれ遅かれ撤収するにしくはないだろう。問題はアフガニスタンだ。
こちらの方は憎さも憎いアルカイダ、就中ビン・ラデンをやっつけるまでは振り上げた拳の降ろしようがない。アルカイダと協力関係にあるとして打倒したタリバン政権だったが、双方共にゲリラ化した上、特にアルカイダにパキスタン国境あたりに山ごもりをされてみると、早急には手の施しようがない、というのが真実に近いだろう。となると、とりあえずはタリバン残党とだけは事態を収拾して、じっくりアルカイダを干しあげにかかる、というのがどうやら現実に対応できる唯一の策だ、ということになりそうで、現地のペトレウス司令官にその動きがある、とか、フォーリン・アフェアーズ最新号にもそれを強く勧めるラシッドの寄稿があるとIPSに報じられるなど、イランが強く牽制するほどの動き(10.17「テヘラン市長」)になりつつあるようだ。
残り少ない任期中にブッシュ政権がそうした動きに出るかどうか。ややこしいことが複数あったときにはまず対象を絞り込む、というのは伝統的な手法だ。もしかすると日本の頭越しの北朝鮮の話もそのひとつかもしれない。
2008年 10月 21日