2014年10月21日
akira's view 入山映ブログ プライオリティ
あなたがある会社の専務取締役であったとしよう。会社の三十周年の公式行事がある。その日に(1)一人っ子の運動会があった。(2)あなたが役員をつとめる高校の同窓会があった。あなたは会社の行事を休んでどちらかに出席するだろうか。出席するとすればどちらだろう。社員が後でその事実を知ったときに、反応はどうだろうか。
状況を少し変えよう。あなたは病気療養中で休職している。しかし恵まれた環境にあって、専務としての給与は全額支給されている。回復まじかで医者の外出許可は出ている。さて同じ状況になった。あなたは三つのうちどれに出席するだろうか。
立場を少し変えよう。あなたは専務の秘書だ。あなたの仕える専務が上記の事情のなかで子供の運動会にでかけようとしている。あなたは上司になんというだろうか。(1)お立場からして、公式行事にご出席になるべきではありませんか、と申し上げる。(2)忠告して解るくらいの上司ならば、忠告しなくても解るだろう。忠告しなければ「けじめ」の一つもつかない上司なら、言ったって逆恨みされるのがオチだから、黙ってにこにこしている。
部下としての立場を少し変えよう。あなたの上司の専務は奥さんがオーナー社長の令嬢で、次期社長は間違いない。その事実はあなたの上司に対する態度を少しは変えるだろうか。さらに、その上司が日頃から自分ほど頭が良くて優れた人間はいない、と思いこんているのを皆が知っている。その事実はあなたの態度を変えることになるだろうか。
古人は、すまじきものは宮仕え、と喝破した。しないにこしたことはないが、そうもゆかないとすれば、裸の王様に仕えた時の心づもりは日頃からしておかねばなるまい。皆がみんな銀の匙をくわえて内閣総理大臣になったり、天璋院様のような出来たお姑さまに仕える訳にはゆかないのだから。
2008年 10月 24日