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2014年10月27日

akira's view 入山映ブログ 追加経済対策

 大荒れの世界金融情勢を受けて、麻生内閣が追加経済対策を発表した。大急ぎのパッチワークで、しかも赤字国債は発行しない、ということだから、内容的には「それなり」のものであるに留まったという評価が妥当だろう。

 中小企業向けの融資・保証枠の拡大は年末に向けて緊急避難の役には立つだろうし、住宅ローン減税の延長も、雇用保険料率の引き下げ、証券優遇税制の延長もそれなりの効果は期待されよう。道路特定財源から1兆円を地方にゆだねたのも結構な話だ。ただ、少し首を傾げるのは、これらの多くが期限を限る時限立法の性格が強く、3年先には消費税アップが待っているよ、というメッセージの前に、どれほど消費拡大、内需喚起の効果があるのか、という点だ。苦しい台所から、与謝野大臣がその存在を否定し続けた「埋蔵金」にまで手を付けての施策だから、どうしても急場凌ぎのワンショットにならざるをえなかった、という点は解らないではない。しかし、三十八度の高熱の人と、三十六度の平熱の人の双方に、三十七度に効く解熱剤を処方したような趣なしとしない。

 その典型的な例が今回の目玉、各家庭に配るという2兆円のクーポンだ。1999年の地域振興券の既視感(de ja vu)にとらわれるのは、まあ良いとしよう。どなたがイニシアティブを取って、どんな次第で手あかのついたこのアイディアが浮上したかも問うまい。先のいくつかの施策と同じく、3年後にはオオカミが出るぞ(ちなみにこのオオカミはいづれ出ざるを得ない、ということも、これまた不問に付するとして)と知りつつ、「宵越しのカネは持たねえ」とぱっぱと気前よく遣う江戸っ子ばかりだろうか。

 これは緊急避難のカンフル注射だったとしよう。その限りにおいて短所を挙げつらうことは控えておく。しかし、長期とは言わないが、せめて中期あるいは短期の内需拡大策(これこそが政策の名に値することはいうまでもあるまい)がこれを追っかけて明らかにされることを期待したい。それは、ジェスパー・コール氏の言う成長産業としての環境産業、看護産業の育成でも良いし、榊原氏の言う農・漁業と地方産業の底上げ(いづれも30日の外国特派員協会でのコメント)でも良い。お役人お得意の長期コミットを避ける時限立法による目くらましは、かの租税特別措置(何十年も続いているものが多いのも先刻ご承知である)でお馴染みだが、百年に一度の難局であると言う認識が本当に実感されているのなら、このパッチワークだけで事終われり、ということにだけはして欲しくないものだ。お役人のいうなりになるしか知恵がない、ということでもあるまい。

2008年 10月 31日



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