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2014年11月7日

鳥人間《戸田太郎太夫》-5 荻野鐵人 影山芳郎

ベルツ花子の祖父

3.世界の烏人の記録

1 1130年に修道士エルマーは背中に翼をつけて、イギリスのマームズベリー僧院の塔から飛び下り183メートルほどの距離を飛んだ。エルマーは骨折したが僧院のステンドグラスにその姿を永遠に残している。

2 Sir George Cayley ジョージ・ケイリー卿(1774~1857)は鳥の観察を進めるうちに、鳥が翼にななめ方向の力を発生させて飛ぶという大発見をした。そして、このななめの力を、上にあげる力(揚力)と前に進めるカ(推力)に分散し、翼には揚力を発生させ、あとは、推力を生み出す装置を作れば良いことを考え出した。そして固定翼で空を飛ぶことと、人力以外に動力を求めるという、今日の飛行機の基礎はケイリー卿の着想によって生み出されたものである。また、1802年には、人を乗せて空を飛ぶために、2馬力の蒸気機関が必要であると主張した。ケイリー卿は、自分の発想した固定翼が正しいことを証明するため、数多くの模型のグライダーを作って実験し、75歳(1849)のときに製作した三葉グライダーは、10歳の少年を乗せて飛行することに成功した。その後新しい機では153メートルの距離を飛んだ。彼は、船のスクリューから、飛行機のプロペラを考案し、ヘリコプターの原型ともいうべき模型を設計した。

3 1890~1896年の6年間にドイツのオットー・リリエンタールは複葉のグライダーを使い、2000回以上の飛行を行い、250メートルを超える記録を度々残した。「鳥の翼のアーチ型の曲りに飛行の秘密がある」との結論を出した(カンバー図参照)が1896年、翼の失速が原因で墜死した。

4.概算性能

三河の鳥人の飛行機(グライダー)を分析してみよう。先ず、翼の大きさであるが、文
献には、タタミ一畳(1.82×1/2m2)くらいとあるが、多分これは片側の翼であろうと思われるので、全備重量を100kg(人50、機体50kg)と仮定すれば

翼面荷重=100÷1.82=30kg/m2
飛行時間: t=15秒(太郎)
t=15秒(源八)仮定
t=5秒(新八) 推定
飛行台の高さ: h=9m(太郎)仮定
h=5間=9m(源八)
h=1丈=3m(新八)
飛行距離: r  滑空比: r/h
沈下率: h/t  揚力係数:CL
CL=翼面荷重/(1/2ρV2)

を計算してみると、下記のごとくなる。但し、ρは空気の密度、Vは飛行速度である。

    飛行距離  滑空比  飛行速度  沈下率  揚力係数
      m    m    m/s    m/s
太郎   350    39    23    0.6    1.0
源八   540    60    36    0.6    0.4
新八   180    60    36    0.6    0.4



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