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2014年11月13日

akira's view 入山映ブログ インタビュー

 この連休余り出かけなかったので、不断余り見ないテレビを珍しく良く見た。新聞紙上の番組タイトルを目にしただけで敬遠申し上げたくなる番組が、驚いたことに大半だった。ということはいきおいニュース・報道番組が中心になる。幸い外国の類似番組も幾つか視聴できる環境にあるので、特に聞き比べた訳でも何でもないのだが、感じさせられるところがあった。

 日本のインタビュアーの拙劣さである。インタビューというのは相手から一次回答を引き出したら、それを材料にさらに突っ込んでホンネを引き出す、あるいは相手の実像のようなものを浮き彫りにする、要するに何らかの新規情報を引き出す、という作業の筈だ。これは前にケイティー・クーリックの例を引いて述べたことがある。(10.19「ペーリン2」)その好対照だったのが23日サンデープロジェクトの田原総一郎氏だった。日本語の番組ではそこそこのつっこみでなかなか面白く観せるアンカーマンが、ホワイトハウスにブッシュを訪ねた。

 通訳抜き、という条件だったこともあってか、予め用意した質問をメモにして、それを一つ読み上げては、一つ答え、四つほど読んだところでおしまい。質問相互にはほとんど関連性がない。そうなれば結果は明らかで、日本からわざわざブッシュ政権の提灯持ちをやりに行ったようなことになった。別に田原さんの英語能力にケチを付ける訳でも(麻生首相の漢字能力より遥かに上だ)いまさらレームダックに逢いに行ったことの意義を否定的に考えている訳でもない。予想されるような答えが予想通りに返ってきただけのことで、何のためのインタビューだったのか、という話である。まさか輝かしいジャーナリスト歴に「ホワイトハウス訪問」の一項を付け加えるのが目的だった筈でもなかろう。

 たまたま田原氏を実名入りでご紹介すのに他意はなく、日本人のインタビューアー一般にいえることして書いている。まず不勉強。基礎知識が不足しているのは論外だが、さらに適切な質問の問い口を見つけるのが下手。田原氏の例で言えば、英語能力が不足していて会話のフォローが取れないのなら(そんな人を何故ホワイトハウスに派遣したのかも解らないが)せめて、一方的な答えそれ自体でも面白い問いかけにすべきだった。「北朝鮮云々」の質問にしても、真っ正面から正攻法みたいな質問をするから政権プロバガンダのような答えで終わりになる。「これまでにもさんざん将軍様には振り回されたが、今度は大丈夫という理由は」とか「拉致問題を忘れないと言ってくれたが、具体的に何か出来ることがあると思うか」とやれば、通り一遍の答えだって多少は面白くなろうというものではないか。

 まともな本を読まないでマンガばかり読んでいると、漢字の読み方もおかしくなる。「今のご感想を」とか「総理のご見解を」みたいなインタビューばかりしているか、高みに立って相手の非を断罪する、みたいな手慣れたやり方に溺れていると、切り込んで新しい側面を浮き彫りにする、というインタビュー本来の機能がお留守になる。

2008年 11月 24日



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