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2014年11月14日

akira's view 入山映ブログ NIC

 米国の国家情報会議(NIC・CIAの建物の中にあるのはご存知の方も多いと思う。)は「何年後かの世界」みたいな内容の刊行物がウリの一つで、先週公開されたのは2025年の予測だった。ロシア、中国、インドの経済的台頭を予測しているのは当然だが、いづれのことも「国家資本主義」だと見ているのが面白いといえば面白い。まあ米国モデルから、世界は多元的なモデルを採るようになるのは必然だ等と今頃言っているのだから、大した内容ではない、と言えなくもない。(この報告書が何年か前に日本の核武装を予言したのをご記憶の方もいらっしゃるだろう。)日本の役割が低下するのを予言しているのも当然だが、その理由として、少子化と並んで、改革に対する政治的意志の不在、を挙げている。これが、この程度の凡庸な報告書にまで記載される「世界の常識」になってしまったことを政治家諸氏はご存知なのだろうか。御用学者(「学問的節操を守らず、権力に迎合・追随する学者」(広辞苑))の方々は、改革の痛みだ、不平等の拡大だ等といってすり寄る前に、この事実をお話しになることをお勧めしたい。もっとも、最初から学問的節操がなければ、これは御用学者以前だし、元々学者でなければ論外なのは言うまでもない。やや訓詁注釈に陥るが、同じく広辞苑によれば「学者」とは「学問にすぐれた人、あるいは学問を研究する人」で、「学問」とは「一定の理論に基づいて体系化された知識と方法」だという。とすれば、断片的な知識の集積は「学問」ではないし、それにいくら長じていても「学者」とは言わない。だから、そういう人が権力に迎合しても御用学者ではないことは明白だ。御用評論家とでもいうのだろうか。

 閑話休題。先に観光庁設置を嗤っていたら(1.6「観光庁設置を嗤う」)本当に出来てしまったのには驚いた。が、改革を棚に上げておいて景気回復といい、株価低迷を嘆き、内需回復をしようとするのでは、観光庁を創った国土交通省のお役人を嗤えまい。ビスマルクは、自分の政策に賛成する学者などは一晩で馬車にいっぱい集めてみせる、と豪語したそうだが、流石に口に苦かったり耳に痛かったりする話ではそうもゆかないのかもしれない。とはいえ、出羽守(蛇足ながら、どこどこデハ、というのがお好きな向きのこと。)のお好きなお国柄故(4.1「福田総理記者会見」)意外と効き目があったりするのではないか。

2008年 11月 25日



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