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2014年11月21日

akira's view 入山映ブログ 政策

 再三にわたって内需拡大政策の必要性を論じた。ではその政策は誰が作るのか、どんな人々が作るのか、という話をしてみたい。その目見当がついていなければ、あどけない願望の表明にすぎないからだ。こうならいいな、あんなことをしたら喜ばれるな、というウィッシュ・リストをただ書き並べて、そのための財源から立法措置、あるいはその措置によってマイナスの影響を被る人々への配慮を欠いていたら、そんなものを政策とは言わない、ということだ。

 当然のことながら、政策策定に当たってはプロ、すなわちそれぞれの施策についての利害得失を判断できるだけの知識と能力を持った人々が要求される。そういう人々に代えて、臨時にかき集めた人々にアイディアを求め、それがまとまったら一丁上がり、それで解散、というやりかたでことが済むのだろうか。つまりパートタイムの学者や有識者の寄り集まりに諮問したり、方針を策定して頂く、という方式に実効性があるのだろうか。そもそもフルタイムである職務に専念するのと、パートタイムの違いは何だろう。最近流行の非正規労働者の話をしようというのではない。ここでは政策策定に当たってのプロとはどんな人たちだろうか、という議論である。

 プロというのは、明けても暮れてもある技量を磨くことだけに専念し、それを生業とする人のことを言う。野球選手や囲碁・将棋は解りやすいが、政策だって同じことだ。政治家が筆頭に上げられるべきだろうが、その限界については改めて指摘するまでもあるまい。となると、それに一番近いのは官僚だということになる。ただ「近い」のであって、「そのもの」ではない、というのは、官僚は政策実行の責務がプライオリティで、政策策定は二義的だからだ。社会主義国家ではこの両者は一致する。官僚が決めた政策を官僚が実行し、国民はこれに従う。日本はそうではないはずだ。

 では日本に政策のプロが存在するのか。残念ながら答えはノーだ。プロになりうる資質を持った人は存在するが、それをフルタイムで職務に専念させるしかけが定着していない。結果、パートタイムのプロもどきが策定した素案を、官僚がいじり回して換骨奪胎するシステムが長年にわたって続いてきた。素案の実施に当たって問題が発生したときに、再度フィードバックしてご意見を伺おうにも、もうチームは解散、というケースが圧倒的だからだ。民間人の大臣登用がまれに見られるものの、それが官僚システムを顎で使うというのには遠いのみならず、国民に対して責任を持たない輩に力を持たせるとは何事だ、といった論調がともすると支配的になるのもご承知の通り。

 そうしたしかけが成立するまでは、政治家が素案実行に不退転の意志を持ってコミットする他はあるまい。それを期待できる政治家に何人思い当たりますか、ということになる、しかし、それがオチになったのでは世の中は変わらない。本来各省庁がやたらに沢山持っているナントカ研究所とか、ナントカ機構というのは、民間人を多いに登用して、官僚とのミックスのもとでそうした機能を果たせた筈だし、果たすべきだった。しかし、それがぬくぬくとした天下り天国に堕してしまっている。案外改革の第一歩はそのあたりにあるのではないか。

2008年 12月 11日



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