2015年1月8日
akira's view 入山映ブログ 小泉発言(2)
政局展望のようなことを書くのはこのブログの本旨ではないが、再度小泉発言について触れる理由は、政治の品格(坂東真理子さんの受け売りの様で気がひけるが、もちろんそうではない。)、あるいは品位が論点であることを確認したいからである。小泉発言はおそらく首相の資質を問うた。ところがそれを受けた民主党の輿石参議院議員会長は「小泉氏がロシアから帰ってくる20日まで審議を差し控える」と発言したものだ。要するに小泉氏が帰国して自民党造反組が何かを起こすことを期待して、それまで高みの見物を決め込もうという話である。
これこそ麻生総理ではないが、「さもしい」の一言につきる。政治には権謀術数、駆け引きはつきもので、綺麗ごとだけではゆかない、というのは想像に難くない。しかし、それをむき出しの形で表現する、というのはまた別の話だ。歯に衣着せず言わせてもらえば、この自民党のていたらくに愛想を尽かしているにもかかわらず、国民が雪崩を打って民主党一辺倒にならない最大の理由は、自民党以上に自民党体質をお持ちのように見える小沢党首と、ことあるごとにそのスポークスマンをお勤めの観のある輿石参議院議員会長によって代表される、旧社会党体質・国対政治体質の「臭い」であるといってよいだろう。
もとより個人が問題なのではない。そうした個人が選ばれ、認められる基盤の構造に問題がある。政治がパワーゲームであることは誰でも知っている。しかし、それは同時に理想と品格を求めるものでもある筈だ。おそらくオバマ氏は綺麗ごとだけで米国大統領の座を射止めた訳ではないだろう。しかし、彼は変革について語り、将来の可能性について国民のモラールを昂揚させた。政治というコインに両側があるのは事実だ。しかし、このところわが国で片側だけしか目にしないのはなぜだろう。政策を解りやすく語る能力が評価されていないからではないか。マニフェストという手法がもてはやされている。しかし、その看板だけは一人歩きしているが、それが何についてのもので、誰がどう作成したのかを「解りやすく」解説されたことを聞かない。
品位に欠ける政治家がいかに解りやすく語っても、耳を傾ける人がいないのは改めて言うまでもないことだが。
2009年 02月 14日