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2015年1月10日

akira's view 入山映ブログ 詭弁

 「行き過ぎた」市場万能主義、「官から民へ」、小さい政府、そんな考えは時代遅れ、周回遅れの議論だ。米国を見よ、オバマの政策は大きい政府そのものではないか。市場原理主義の反省に基づいている。ヨーロッパを見よ。日本でいまだに小泉改革は完結していない、更なる遂行を、などといっているのは世界の大勢を知らぬ連中だ、世界の風潮に遅れた偏狭な態度だ、と公言して憚らない政治家が、あるいはそれにすりよる御用学者が目立つようになってきた。

 これを日本語に翻訳すると、「官僚の勢力をそぐのはいい加減で止めにしよう。なまじ「民」の手に委ねれば、弱者、格差の発生は必至だ。その是正はやはり官僚の手による他はない。ならば、なまじ「民」の手に頼るまい。」ということになる。操り人形の糸を引いているのが誰か、特定するのにそれほどの推理力は必要とするまい。

 さすがにこう翻訳されてしまえば、その言葉に踊る人はいないだろう。だからこそ手の込んだ詭弁が必要になる。改革の「影の部分」を強調しながら、霞ヶ関支配からの脱却を謳う訳だ。一頃はやった「減税と社会福祉の一層の充実」ワンセットは、さすがにすぐに馬脚を露わしたから、今度は品を変えるのだが、どちらも所詮両立するはずのない選択肢を「いいとこどり」で提供することに変わりはない。このテの上滑りな「庶民感情」に訴える議論に対抗するのには、冷厳な事実を以てする他はない。綺麗ごとは結構。それより「この」事実をどう説明するのですか、という態度に尽きる。大阪の橋下知事が驚異的な支持率を誇る理由もここにある。赤字の自治体から中央にオカネを吸い上げて、それを天下り官僚の人件費に使っているのはどういう訳だ、と問う。

 こうした議論の進め方が、大義を忘れたアラ探しの悪趣味と紙一重なのは事実だ。しかし、その紙一重の違いを見分けるのが「良識」というものではないか。最近の朝日新聞「素粒子」欄が単なる悪趣味に堕しているのは、自ら信じるところがないままに他人の欠点の指摘に淫しているからに他ならない。常に原点に立ち返ることを大義といい、良識という。これの存在を確認する作業は誰が行うのか。学者・有識者だろうか。権力の裏書き(endorsement)だろうか。このブログは、その役割を果たすのは他でもない「市民社会」であり、民間非営利組織だ、という主張のために存在している。

2009年 02月 16日



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