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2015年2月3日

akira's view 入山映ブログ 漢字検定(2)

 先に(2.11「漢字検定」)公益法人の不祥事なるものが、いかに歪曲されて報道されているかを取り上げた。今回再び同じ団体について、故意か無知かは知らないが類似の報道があったので再度取り上げてみたい。

 日経平成9.3.8朝刊31面は「漢検協会 事業買収で黒字減らし 赤字の検定など 批判かわす目的か」という見出しで、問題とされている多額の累積黒字に対して「文科省の求める検定料引き下げに難色を示し、かわりに日本貿易振興機構(ジェトロ)から「ビジネス日本語検定」を買収したほか、検定や資格試験を第三者が評価する機構を設立、東大、京大にも寄付をするなどして黒字を減らし、「もうけ過ぎ」との批判をかわそうとした」と報道する。先にも書いたように。累積黒字を不明朗な使い方をした、というのは別論である。本来利益配分をしてはいけない(非営利)組織が、疑われるような行為をする、というのも言語道断だ。しかし、公益法人が多額の利益(収支差額)を上げてはいけない、とか、その利益を「社会全体の利益に貢献する活動」に使うのが(もちろん定款あるいは寄付行為に明記された範囲で)けしからん、というのは全く当を得ない。

 今回公益法人改革なるものが、収支総償とか累積黒字に保有限度額を設ける、としているのと奇妙なくらい軌を一にした考え方であり、報道だ。受験者が殺到している検定試験(それもオカミに押し付けられている試験でもなんでもない)の受験料をなぜ下げる必要があるのか。ついでに言えば、検定料の1500円乃至5000円が何故過大なのか。囲碁初段の免状を頂くのにいくら必要なのかと比較してみたらいかがかと思う。もうかったら(収支差額が出たら)さらに「世のため人のため」に使えば良いだけのことだ。単純再生産だけが民間公益事業のあるべき姿だ、という役所の姿勢の裏には、そんなものに大きくなられては自分たちの縄張りが狭くなる、という意識が透けて見えようというものだ。今回協会が「黒字減らし」の為に行ったとされる事業の中身も質も知らないが、タイトルだけから判断すれば大変結構なことのように見える。

 清く正しく美しく、貧乏でいつも収支とんとん、というのが公益法人のあるべき姿だ、という官製イメージの片棒を担ぐのは、そろそろマスコミもおやめになったらどうだろう。「社会の公器」たるメディアに働くものは薄給に甘んじろとか、もうけてはいけないというのだろうか。待てよ、そういえば新聞社が余りもうかっているとは聞いたことがないな。

2009年 03月 09日



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