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2015年2月4日

akira's view 入山映ブログ オフレコ

 オフレコ、即ち off the record というのは通例秘密、機密を意味する(Concise Oxford Thesaurus)。日本における記者会見の慣例、約束事は詳らかにしないが、人物を特定しない、という了解のもとになされる会見だと各紙は報じ、「政府高官」とまではコメントしても良いとも。それがにわかに政府高官は誰だ、という個人特定の探偵ごっこになり、全ての新聞はいうに及ばず、与野党うち揃って個人を特定した、というのはいかがなものだろう。

 内容が内容だから、約束事よりも国民の知る権利を優先させた、という説もある。しかし、取材源を秘匿する、あるいは取材時の被取材者との約束事は徹底して守る、というのがマスコミの姿ではないか。たまたま日本が民主主義国家で、しかも当事者が政権与党であったことは何の弁解にもならない。圧政をひく政権下にあって、匿名を条件に窮状を訴えた市民の特定に力を貸すのと基本的には何も変わらないことがもっと認識されなければならない。報道の自由は選択的に認められるものではない。(違法行為を除くのはいうまでもない。為念。)それと同様に、取材時の約束事は死守する、あるいは少なくともその姿勢を貫くのがメディアのあるべき姿ではないか。

 各紙ともに今回の推移について、何の疑問も呈していないところに深刻な「記者クラブ」病を見る。情報源と取材側が妙に一体化して、緊張関係、つまり外に向かって相対していないのだ。そうでもなければ、これほど容易く報道の自由を下支えする義務を放棄するはずがないではないか。選択的に適用されるルールというのは、誰がどのように選択するのか、という質問を常に含んでいる。だから時の権力というのは怖いのであり、だから基本的、つまり非・選択的なルールが必要になるのだ。

 蛇足ではあるが、特定された個人の言動を擁護するものでも、その内容を支持するものでもないことを付言しておく。それが愚劣であればあるほどルールが光ろうというものだ。

2009年 03月 10日



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