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2015年2月12日

akira's view 入山映ブログ 麻生総理

 麻生総理は3月中旬、延べ84人を招いて経済危機克服のための「有識者会合」を持った。その結果が先の経済成長戦略になったのなら、それは結構な話だ。しかし、失礼ながら「戦略」の中味は有識者が頭をしぼって生み出した、というほどのものではないことから、これはむしろガス抜き、あるいは有識者の参加・共同意識の醸成を狙ったものだ、と考えた方がよいのかもしれない。
 総理はよほど有識者会議がお好きなようで、今度は「中長期国家ビジョンを考える有識者会議」を4月中旬に立ち上げるという。そのメンバーが聞いてびっくりで、ナベツネこと読売の渡辺恒雄、電通の成田豊といった米寿・喜寿クラスのシニアから、高木剛、増田寛也、さらには宮本太郎北大大学院教授といろとりどりの八宝菜。さぞかしカラフルなビジョンが議論されることだろう。
 一国の総理が確とした国家ビジョンも、私淑する哲学者、歴史家も持たず、あるいはそれにとらわれず、万機公論に付するというのは悪い話ではない。もしかして、うるさ方に総理の「ひととなり」を売り込もうという陰の仕掛人の意図が見え見えでなければ、の話ではあるが。

 郡百のナントカ委員会の類いが、実は官僚作文に対するラバースタンピングマシン(権威付け?の追認機構)化している事情は、小宮隆太郎氏のコメントが明らかにして間然するとことがない(12.17「私の履歴書」)が、これまで日本が政策策定を官僚機構に頼ってきたこともまた事実だ。諸事順調、右肩上がりで、昨日の通り今日もまた、で済んでいる時はそれもまた結構。しかし、官僚機構の制度設計の原理が、パラダイムがシフトしたり、情勢が激変する事態にはまるで適していないこともまた事実で、緩和曲線として官僚OB・OGたちも活用してのシンクタンク創設をこのブログで提言もしてみた(12.11/13)。だが、自分の縄張りに新たに力を持った機構が介入してくる事態には、官僚諸氏が体を張って抵抗する、というのは鮎の友釣りの原理といささかも変わるところがない。直接法による排除・独占に対する非難をかわす目くらましの一つが例のナントカ委員会だというのも広く知られているところではある。

 既得権益の保持、事実上なにもしないで現状を維持する不作為の手口にかけては天才的な力量を持つ官僚機構が、新しい政・官・財の癒着構造を国家百年の大計にまで持ち込もうとしているのであれば、これは座視している訳にもゆくまい。力強い声を挙げる筈の民間非営利組織の制度が、官僚の手によって息の根を止められかかっている今、お手軽な人選によるナントカ委員会のこれ以上の跋扈を許さないためにも、公益法人制度改悪を阻止、変革するのは第一の目標といってよいだろう。

2009年 03月 30日



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