2015年2月18日
akira's view 入山映ブログ 北朝鮮
北朝鮮のロケットに振り回された二日間だった。当初の誤報騒ぎから始まって、最後は人工衛星が軌道に乗らずあえなく太平洋に沈むまで、ほとんど将軍様の予想通り、あるいは予想を超えた日本メディアの盛り上がりだった。ただ、例によって国内の盛り上がりに留まり、国際的にはほとんど無視も同然の扱いを受けている。
いまさらいうまでもなく、お隣のあの国は困った国だ。しかしその無道の振る舞いに対して、出来ることといえば船舶の寄港禁止とか貿易停止くらいしかない、粘り強く交渉しようにも、およそ理屈や道理が通る相手ではない。その上核からミサイルまで持っている、というのだから始末が悪い。経済制裁がボディーブローのように、一定期間経てば利いてくる、ということでも確かならば救いがあるが、目下のところそれも保証の限りではない。
国連、特に安全保障理事会の場を用いてのサンクションにも、中国とロシアの思惑があって一筋縄ではゆきそうもない。ハリウッド映画ならば、以前にも書いた(08.2.26「映画のシナリオ」)ように、拉致された被害者をコマンドを送って救出したり、国民の不満を利用してクーデターを計画したり、あるいはジャッカルのような狙撃手を派遣したり、といろいろやってくれるだろうが、とても現実味があるとも思われない。
ないないづくしの状態なのだが、どこかの国のようにダンビラを振りかざして相手に迫る、という業を封じられている日本としては、いささかなりとも物わかりが悪かったり、国際世論動向などには全く関心を持たない国(何も北朝鮮に限ったことではない)を相手にする時には、それでも交渉ごととして事を運ぶ他はない。それをやむないこと、国家のあり方として選んだのならば、後はありとあらゆる手段を講じて「国際」世論にアッピールする他はない。例えば拉致問題に関して、国内の抗議行動や署名集めだけではなく、国際メディアへの対応を中心に考えなければならないだろう。捕鯨反対のNGOのように、多少演出効果を狙うことも必要かもしれない。
情報鎖国ともいうべきあの国であってみれば、そんなことをしてみても効果はないかもしれない。しかし。ダメかもしれないといって何もしないよりは、気球にビラを満載して北朝鮮に飛ばしている人々に倣うのも一法ではないか。さもなければ、経済封鎖をされても禁輸をされても痛くも痒くもない人のお財布はどこにあるか、それを抑えるしかなかろう。なにもゴルゴでなくても、それは出来るように思うのだが。
2009年 04月 05日