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2015年2月24日

akira's view 入山映ブログ 補正予算

 15兆円の大型補正予算が上程されるという。空前の国債発行を前提としている。グローバリゼーションまっただ中。米国(EUとはやや温度差があるとはいえ)に歩調を合わせた景気刺激、財政出動は是非もないだろう。タイミングが重要なこともある。寄せ集め、バラ撒き観が否めないのもこれまたやむを得ないといおうか。いまさら政治家のブレーンに、まして役人に大局観がない、既存価値観の代弁者に過ぎないなどと悪態をついてみても始まるまい。拙速が尊ばれることもある。

 ほんとうにこんな財政出動で景気に影響を与えることが出来るのか、とか、この大赤字予算のつけはいったいいつ、どんな形で払うのか、とか疑念を呈しだしたらきりがない。しかし、思いきって景気を良くするんだ、と大見得を切った役者が、独白で「実はホントにうまくゆくかどうか自信ないんです」とか、「つけがいつまわってくるか気が気じゃないんです」などという訳にもゆくまい。内心の不安を覆い隠して、つとめて能天気のネアカを振る舞ったとすれば、われらが総理大臣はなかなかの傑物ではないか。

 まあ、それが政治というものだろう。しかし、それと同時に免罪符も手に入れておこう、という役人的発想が混在したり、役割演技をネクラな別の大臣との間で出来レースをやった、ということになると話がまるで変わってこようというものだ。免罪符というのは、後日の言い訳といってもよい。要するに「その点については過去に言及してあります」というアリバイ作りだ。役人の最も得意とする朧化的表現、つまり玉虫色の表現はその典型例だろう。今回の補正予算と同時に中期の経済・財政計画らしきものが発表され、その中には中長期の財政バランスを考慮しなくてはならない、という意味の表現が例によって朧化的表現で盛り込まれているという。

 中長期の財政のことなんかどうでも良い、という人はいない。景気が良くなって税収が自然増になり、他方で(これも大事なことは再三述べたから繰り返さない)相当思い切ったムダ遣い(福祉ではない)の切り捨てを断行し、もって赤字が消えればこんな結構なことはない。しかし、言外に何年か後の消費税増税の言質をとり、挙句の果てそれが福祉目的税ではなく一般財政補填にも使う、という伏線を引き、しかも(ここが大事なところだが)それを明示の形で表現するのではなく(なぜそうしないかは先に触れた)、一編の作文で、いや作文でさえない曖昧な一文の挿入によって既成事実化し、免罪符作りもしようというさもしい根性を三流の役人さながらに政治家が行っているとすれば、それこそ国家百年の計を誤ることになる。

2009年 04月 10日



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