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2015年3月2日

akira's view 入山映ブログ NR

 最近よく耳にするワーキング・プア(WP)に対して、ノンワーキング・リッチなる新語(意味は自明だが、まるで仕事をしないのに給料だけは高い、という人々)を池田信夫氏がブログに書かれたのは1月のことだった。それを最近(4.15)日経夕刊「サラリーマン生態学」で江波戸哲生氏が取り上げた。ということになれば、NRというコトバもかなり市民権を得た、と考えてよいのかもしれない。どれ位の禄を食んでいればリッチなのかについては、池田氏がご自身20年ほど勤められたNHKの関連団体で年俸2千万円という例を引いておられるから、そんなものが相場感なのかもしれない。

 前置きが長くなったが、それはたまたまこのブログで何度か取り上げた(1.08「ミクロとマクロ」2.11「漢字検定」3.28「経済成長戦略」はそのほんの一部)所謂「外郭団体」こそこのNRの典型であることを指摘したかったからだ。
 「外郭団体」というのは「官庁や政党などの組織の外部にあって、これと連携を保ちその活動や事業を助ける団体」(広辞苑)のことだとされるが、やさしい日本語でいうと「その予算の全て、あるいはほとんどがお役所から降りてきて(従って税金で運営され)そこで働いている人のうち、特にエライ人は殆ど全員役所からの天下りで、別に止めてしまっても、民営にしても良いような仕事をしている組織」のことだ。

 現在進行中の公益法人改革だが、旧_公益法人2万6千のなかに、外郭団体は30-50%存在するといわれてきた。数がはっきりしないのはそんな統計資料が公開されていないからだ。(まあ、余り明るみに出したくない事情もあるからだろう。)だから、仮に池田氏のNRの定義を借りて、7千から1万3千の団体が2千万円づつかけてNRの飼育に当たっているとすれば、1400億から2500億円の給与が払われていることになる。ちなみにこれは決して荒唐無稽な数字ではなく、天下り各団体一人と仮定したのはむしろ平均値としては少なきに失する。エライ人がずらり、というのも珍しくないし、エラくない天下りまで含めたら、この額は数倍から数十倍に増加する。

 重箱の隅をつついて楽しがるのは悪趣味だなどというなかれ。消費税増税、プライマリーバランス回復をいい募るのは結構だが、ものには後先があるでしょう。まずは予算のむだ使いを徹底的に洗い出すのが先ではないか(4.10「補正予算」ほか)という議論の延長線上の話だ。人件費だけでこれだ。物件費、さらには事業本体の取りやめまで計算に入れれば兆単位の埋蔵金を掘り当てるのも夢ではない。

2009年 04月 16日



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