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2015年3月3日

akira's view 入山映ブログ 漢検(3)

 これまで2回(2.11・3.2)「漢検」問題を取り上げた。漢検問題というのは「もうけ過ぎ」にあるのではなく、「もうけ」の使い方にあるのだ、という当たり前の事実を指摘したに過ぎない。不適当な使い方ができたのは、そもそも使える「もうけ」があったからだ。だから「もうけ」が出るのが悪い、なんていう論法は一般企業に適用してみればその愚劣さは一目瞭然だろう。汚職や使い込みは、その行為自体が悪いのであって、そんなことができる「もうけ」が発生しているのが良くないというのはナンセンスだ。

 それが、ことが「公益法人」ということになると、収支トントンがあるべき姿で「もうけ過ぎ」はよくない、という論調になる。先に日本経済新聞(2.8朝刊)がそう書いたのがおかしくはないか、といったのだが、今度は朝日新聞(4.16朝刊)までが「過大な収益」「公益法人として許されない多額の利益を上げている」(もっとも後者は文科省の意見としての報道だが)という表現で報道する。日経と朝日がそういうのでは、もしかすると世論というのはそういうものか、と危ぶむから再々度指摘しておきたい。

 重箱の隅をつつくような議論には入りたくないから、ここでは「公益」法人というのは「世のため、人のため」に「もうけ」を遣う法人だ、というくらいにしておく。営利法人、つまり一般企業は「もうけ」は株主配当や役員賞与などお身内で遣う。最近ではCSRだ、社会貢献だといって、そうばかりもいえない世の中になってきたが、そもそも基本的に企業システムというのはそういうものなので、別にそれが悪い訳でも、道徳的に責められることをしている訳でもない。当然の話ながら、「世のため、人のため」に「もうけ」を遣おうなどという奇特な人は少ないし、そんなビジネスチャンスもあちこちに転がっている、という訳にもゆかない。ならば、公益法人に珍しく「もうけ」の出る話があるのなら、世の中はそれを大歓迎してよいはずではないか。

 珍しくビジネスモデルとして成功した漢検が、経営者が品性お粗末で私的流用に近い形でその「もうけ」を遣っていたのなら、先の汚職や使い込みと同じで、その行為を糾弾すれば良いだけの話だ。私的流用はともかくとして、遣い途がないままにどんどん内部に溜め込んだ、それがけしからんじゃないかという事例はこれまでにも日本自動車連盟(JAF)などで指摘されたことがある。文科省お得意の(そしてマスコミも支持する)料金を下げろ、という話は「世のため、人のため」に遣うタネがまるでない、という場合の話だ。先にも書いたように、どこかの省庁が外郭団体にやらせているように、事実上押しつけのような資格制度を作ってそれを押し売りしている訳ではあるまいし、せっかく広く支持されたビジネスモデルを圧殺することもあるまい。しかし、待てよ、本当は民間の公益法人にそんなビジネスモデルを開発されては困る人々が仕組んだお話なのかな。

2009年 04月 17日



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