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2015年3月6日

akira's view 入山映ブログ 漢検(4)

 漢検大久保前理事長による公私混同ともいうべき経営ぶりは、新聞報道に見る限りでも相当なものだったようだ。それが厳しく糾弾されねばならないのは当然だが、新経営陣に対する文科省の対応には大いに疑問がある。というのも、旧民法の下では、この公益法人の指導監督に当たるのは他でもない文部科学省だった。この法人が文科省を主務官庁とする公益法人になったのは92年だから、一体この17年ほどの間、お役所は何を「指導監督」していたのだろう、という疑問がわくからだ。ある記録によれば、文科省は99年以来何度か注意や指導をしている、というのだから、まんざら中味をまるで知らなかったということでもないようだ。

 してみると耳を疑うのは、立て直しのために新たに選ばれた理事長に対する文科省の態度ではないか。「これまで指導監督の責にあったにもかかわらず、見逃し、見過ごしてきてこんなことになってしまった。責任の一端はこちらにもあるから、何なりと協力します。ご苦労さんですが、しっかり立て直してください。」というのが普通の感覚であり、責任ある地位あるものの反省の態度ではないか。それが、新聞報道を見る限り、威丈高とはいわないが、あたかも白馬の騎士のような綺麗ごとだ。やれ検定は中止を含め検討せよ、新理事長が改革に所要とした百日は長過ぎる、即刻大久保一族の関連会社との関係は絶て。この事件の最大の被害者であるかつての受験者、資格取得者、さらには近未来の受験者のことはそっちのけで、勧善懲悪のお芝居みたいな台詞回しだ。

 水に落ちた犬をいい気になって叩いているのも同然、といっては言い過ぎかもしれないが、本来なら被告席に並んで座るはずの人物が検事と裁判官をやっている観は免れない。全国に2万5千。中央官庁所管分だけでも1万を超える旧法下の公益法人を「指導監督」するなんて出来るはずがない。出来るはずがないことを出来るようなフィクション、あるいは擬制を作り上げ、恣意的な口出しや天下りのタネとして活用してきたのがこれまでの主務官庁制度だ。今回の公益法人制度改革でも、形こそ変われ、その尻尾は残存している。オカミの指導監督なるものがいかに頼りなく、かついざとなったときにはどのように豹変するか、漢検問題は象徴的に示している。お役人がそのように振る舞うのは第二の天性みたいなものだから、仕方がないとしよう。文部科学大臣までが尻馬に乗っているのでは、政による官のチェックどころではない。

2009年 04月 22日



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