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2015年3月16日

akira's view 入山映ブログ 大型補正

 今回の大型補正予算で、4兆3千億円に上る46種類もの「基金」が成立するそうだ。事業継続を前提に複数年度の支出を確保、その体制を作るという。まさか46人の理事長さんが出現したり、数百人の有給職員がよってたかって4兆円を食べにかかることはないだろうが、これを奇禍として天下る人々にとっては福音であることに違いはあるまい。

 お役所からの天下り、その受け皿としての外郭団体は多く公益法人の形態をとるが、基金というのも稀ではない。さらにいえば、一定の行政機能をくくりだして、それを専業にする組織を作ること自体は、あながち否定されるべきでないこともある。問題なのは、そうした組織が歴史的使命を終えた後でも、さまざまな理屈を付けて、場合によっては組織のミッションを変更してまで残存したがることだ。これは官僚制の持つ位置エネルギーの裏腹だから、一片のお説教や精神規定でなんとかなるものではない。制度的に米国流の組織廃止条項(sunset clause)を必ず設けるとか、一組織新設には一組織廃止を義務づける(scrap and build)といった知恵がぜひとも必要だ。

 実はこうした組織が「公益法人」の形態をとり、ためにオカミのなさることと民間の非営利活動とが妙に混同されることの害のほうが、無駄な天下り法人ができる害よりも大きいかもしれない。それは今回の公益法人制度改悪ではっきり明らかになっているのだが、本来「悪いことがしようにも出来ない」仕掛けにしておくべきお役人に対する行動規範(それでも汚職や非行は発生する)を、しなやかで柔軟なものの考え方や行動原理が持ち味のはずの民間組織に適用しようとした結果、ひどく迷惑な話になる。36度の平熱の人と38度の風邪っぴきの両方に37度の熱に効く解熱剤を処方するようなものだ。

 困るのは、悪意でそんなことをする訳ではなく、善意とはいわないが使命感に満ちて民間の創意工夫を殺すお役人が数少なくないことだ。創意工夫は税金のムダ遣いくらいでせいぜい発揮していただいて、世の中をおのが意のままに取り仕切ろうなどとはなさらないことを希う。

2009年 05月 04日



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