2015年3月19日
akira's view 入山映ブログ 小沢退陣
小沢さんが辞めるとか、新党首が誰か。果てはそれが補正予算成立と、ひいては解散時期とどんな関係があるか、ないか。TV局はあらゆる評論家を動員して解説・観測に忙しい。ために、今回の補正予算なるものに、どれほど怪しげな内容が盛り込まれているか(5.4「大型補正」)については追求の舌鋒が衰えている観なしとしない。これが与野党共々に仕組んだ「めくらまし」の一幕であるのならば、それはあっぱれという他はないが、いくら何でもそれはないだろう。
先にも触れたように今回の大型補正なるものが「景気刺激策」として、支出規模を考えたときに、一定の効果が期待できないものではないことは認めても良い。いうまでもないことながら、問題はその中味であり、なによりその使われ方だ。土木関係者以外、誰も望んでいない大工事が全国至る所で着工されても、そこで発生する労働需要、地元に及ぶ経済効果を勘案すれば、目をつぶれないものでもない。地元になにがしかの利益が落ちるからだ。それが出身代議士の地元への利益誘導であろうが、それと癒着した官僚の国民に対する背信行為であろうが、少なくとも受益者が地域住民をかなりの程度において含んでいるかぎり、所得の平準化とやらには連ならないでもない。
許せないのは、中央・地方のお役人がそれを利してぬくぬくと「かすり」を取り、しかも悪びれるどころか、堂々と天下国家のためにこれを行っていると開き直るところだ。日経5.10によれば、この補正予算で天下りはなんと906人を数え、それらを養うための独立行政邦人、公益法人に流れるオカネは、補正の20%に当たる2兆8千億円余だという。ことはそれだけではない。前述のブログでも触れているように、これに加えて「基金」なるものが4兆円以上の血税によって設立される。この焼け太りで最も潤う内閣府と経産省は、なんと09年の当初予算額を上回るという。
先にも何度か触れたが(3.26「公益法人制度改革」他)、民の手によって、これまでお役所の専売特許だった分野によりしなやかな仕事のやり方を持ち込もう、というのが公益法人であり、それが制度改革の本旨だった筈だ。ところが、これまでお役所べったりの外郭団体としてのイメージが支配的だった「公益法人」について、その悪いイメージだけを利用して締め付けをあらん限りの勢いで強化し、他方、綺麗ごとのあらん限りを述べてお身内の外郭団体を温存する。それが今回の「公益法人改革」だったわけだ。抽象論でどれほど論陣を張っても口舌の徒たるお役人には勝てる訳がない。出来ることは唯一、今回の補正のように、なりふり構わぬ寄生虫を決め込む出来の悪いお役人に鉄槌を下そうではないか。お役人全部が出来が悪い訳ではない。悪貨が良貨を駆逐しないようにするのはわれわれの責任だ。
2009年 05月 12日