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2015年3月23日

akira's view 入山映ブログ ポスト小沢

 どんなポストに立候補するのであれ、出馬のコメントで「自分は誰それの傀儡であるといわれるつもりはない」とわざわざいう人も珍しい。鳩山さんというのはよほど素直で正直な人なのだろう。方や「笑わん殿下」の異名を取る、およそ手あかのついた政治家イメージとは無縁の人。財界屈指の大物の御曹司と知らない人には想像もできないキャラの持ち主。どちらが選ばれるにせよ、何ヶ月かの後には葉巻好きで射撃の名手、日本語がやや怪しいのが玉(?)に疵という、これまた財界出身の麻生氏と政権を争うことになる(だろう。自民党がそれまでに新しい動きをしない限り)。

 民主主義というのは究極の政治形態であることに疑いはないが、いくつかの制度的欠点があることもまた事実だ。淵源はローマ時代に遡る「愚民専制」はその最たるものだと言われて久しいが、これはもう解決済みだと考えてよいだろう。もう一つ厄介なのは、価値観の多元化とか利益構造の複雑化に伴って政党が乱立し、合従連衡が日常化することだ。イスラエルの現状というのはその典型だが、別な意味で極端なモデルを提示すれば、二大政党がそれぞれ49%の支持率しか獲得できなかった時には、2%の得票率をもつ政党が実質的に支配的影響力を持つことだ。なにもそこまで極端な例を引かなくても、現在の日本で公明党が与党である、というのもその一変形だといってよかろう。

 本当は、それにも増して問題なのは投票率の問題だ。国民の40%そこそこの過半数、つまり21%の意見で国の命運が決定される。やれ統計学による推計だ、世論調査だ、でモデル化して実はそんなことは机上の空論に過ぎない、と論証できるとお考えの向きもあるようだが、眉唾の感なしとしない。棄権するやつにはそもそも傾聴すべき意見などないんだ、といってみても始まらない。結果として組織力、動員力のある組織が分不相応の果実を手にすることになる。まあ、それが民主主義というものだ。ファナチックな「右(左でもよいが)へならえ」に比べたらよほどよいではないか、という向きもないではないのだが。

 日本に関して言えば、民意の所在と極めて間接的な関係しか持たない代表制民主主義というのは、官僚にとって理想的な風土を提供してきた、という事実は忘れられてはなるまい。別に官僚の考えること、することの全てが悪だなどと幼稚なことを言うつもりはないが、たとえ21%で国論が決定されるのが現実であるにせよ、それを何とか22なり3なりにしようとすると同時に、どちらの政権がヨリ官僚機構のいいなりになりそうか、という視点も忘れない方がよいように思う。

2009年 05月 15日



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