2015年3月26日
akira's view 入山映ブログ 鳩山民主党代表
鳩山由紀夫氏が民主党代表に選出された。陰で小沢氏が糸を引く傀儡にすぎないのではないか、という見方をする人が多いこともあって、自ら自分は傀儡ではない、と発言されたあたり、お人柄をしのばせるとは先に書いた(5.15「ポスト小沢」)通りである。
それはともかく、彼が公約としてまず第一に「税金を官僚の手から国民の手に取り戻す」掲げた点は大いに評価したいと思う。今回の大型補正予算なるものが、役所の積み残し懸案の滞貨一掃ともいうべき性格を持つのみならず、46の基金なる役人天下りの受け皿を用意している(5.4「大型補正」)にいたっては、苦々しさを通り越して憤りさえ感じている有権者も少なくあるまい。何よりも、使命感や知性を持ち合わせている官僚はこの国にいなくなったのか、と思わせるのがやりきれない。天下りや渡りを禁止するのはいわば対症療法であり、その受け皿そのものを「くさい臭いは元から絶つ」のでなければことは始まらない。
そのためにも、予算編成を政治家主導で行う、という氏の公約はごもっともだが、官僚に代わって知恵を出す仕掛けをどう作るのか。これまでの御用学者、ラバースタンプの審議会のような存在からひと味もふた味も違うメカニズムを早急に提示すべきだろう。一つ間違えば政治家の利権あさりに堕しかねないだけに、その具体策がなければ、期待が大きかった分だけ落胆も激しいものになろう。なにせ、旧自民党の体質を受け継いだ豪腕の政治家に事欠かない民主党だけに、これは杞憂とは言い切れない。久しく利権から遠ざかっていたハイエナが大挙して群棲する有様などは見たくないものだ。
望蜀の嫌いなしとしないことを承知で付言すれば、国際政治に「友愛」を持ち出すのは余りにも頼りない。おそらく単独過半数は無理で、非・自民の連立を念頭に置いてのことだとは思うが、国連中心主義といった口当たりの良い砂糖菓子でいつまでもお茶を濁してはいられまい。まさか当面は国内問題に軸足があり、国際関係は二の次だ、ということでもあるまいが、少なくともODAのあり方について位はしっかりとした「見直し」の具体策の提示が欲しいところだ。これとても官僚の金城湯池であることくらい流石にご存知なのだろうから、天下り、渡りの禁止の対象にはなっているのだろう。しかし、日本外交はそんな次元の話で終始できるほど軽い話題ではない。
夢のまた夢かと思われた自民党からの政権奪取がいくばくかの可能性を持つようになった今、そうした代案の提示ができれば、たとえ自民党がしぶとく政権の座を守り通すことができたとしても、この国の将来にとって極めて好ましいことのように思われる。
2009年 05月 18日