2015年4月14日
akira's view 入山映ブログ 鳩山更迭
ここ何週間かマスコミを賑わしてきた鳩山総務省の西川郵政社長解任に向けての「過激な」言動が決着した。麻生総理が事実上解任。鳩山氏が辞表を提出してケリ。ということのようだ。裏話や推測記事が得意の特殊メディアは別にして、この間の鳩山氏の言動は誠に常人の理解を超えた。非難の対象になった代表的な西川社長の三「非行」にしても、「かんぽの宿」が不当に安い売却であったかなかったか、その手続きに瑕疵があったかなかったか、という検証は一切(報道では)ない。中央郵便局建物にしても(筆者はあれが保存に値する景観だとは全く思わないが、まあそれは個人差がある事だから良いとして)保存の手続きをだれが無視したのか、その手続きに誤りがあったのか、それとも単に総務相のご意向に添わなかっただけの事なのか。郵便物の福祉団体への不正提供にしても、これを管理体制の弛緩ととらえるのは良いとして、社長の首を賭けるほどの事件なのか、それとも総務相が俺が聞いてない、というレベルの話なのか。
ことほどさように何をあんなに激昂しているのか、激昂精神状態に対する説明責任というのも妙な話だが、ご当人は別にして、まわりにはさっぱり見えなかったのが真相に近いだろう。ところが伝えられるところによれば、西川社長の鳩山大臣に対する謝罪で幕を引こう麻生総理が提案されたという。まさか、とは思うが朝刊三紙が口を揃えていっているのだからまんざらの嘘でもあるまい。ヤクザの手打ち式ではあるまいし、頭を下げて解決する性質のものではあるまい。断固拒否したという鳩山氏は、少なくともこの部分では男を上げた。
政治家が盟友の離反によって勢力を失う事は珍しくない。政敵との堂々の正面戦で破れるのとほぼ同じ頻度で起っているのではないか。麻生擁立の筆頭議員がかくは去った訳だ。まあ、あれほど奇矯な言動のお好きな方がその不在を惜しまれるのは別にして、身辺に近頃とみに存在感のました菅義偉氏が残っているかぎり、あの軽さ極まれりというべき首相にも、盟友は残っているという見方もあろう。(なぜ菅氏がいまだに愛想をつかしていないのか、というのも不思議ではあるが)政界の事情通でもなければ、そんなものになりたくもない筆者だが、国民に解りにくい決断とか理解しがたい行動原理というのは、絶対永続しない事だけは確かなように思う。
妙な総務相と輪をかけた軽い首相を持ったのは日本の不幸だ。しかし、この事態を「わがことなれり」と歓迎する向きがあるのはなお困った事だ。それが中川秀直氏でもなければ鳩山のお兄さんでもない。あの霞ヶ関の官僚群だというのでは、これは全く救いがない。ここは自民党を中心とした(若手)議員の正念場だろう。
2009年 06月 14日